1%のリーダーと99%のフォロアーを育成する工業化社会の学校システム

【授業改善の必要性5】工業化社会においてはとにかく国全体としての生産力をあげることが必要になります。そのために国民を育成することになります。では、どんな国民が必要か。イメージとしてはベルトコンベアに乗って流れてくる工業製品に、両脇に並んだ作業員がねじを締めたり、ハンマーで打ったりする仕事を続けている様子です。
 繰り返し行われる仕事を、正確に、飽きることなく、続ける工員が必要です。途中でねじの締め方が緩くなったり、釘が1つ抜けたりしたのでは、欠陥品になってしまうからです。そこで、このような作業を嫌がらずに、きちんと継続できる国民育成が必要になってきます。これを象徴的に「99%のフォロアー」と呼ぶことにします。
 一方で、全員がフォロアーでは困ります。工場を経営したり、国の方針をリードしたりするリーダーも必要です。これを象徴的に「1%のリーダー」と呼ぶことにします。このリーダーには過去の経験、特に失敗や成功例を知っておくことが求められます。そして、何か問題が起きた時には、膨大な記憶の中から、必要な知識を呼び出し、それに基づいて的確に指示を出すことが必要です。
 要するに、工業化社会においては「1%のリーダーと99%のフォロアー」を効率よく、育成することが求められたのです。どうやって?それが「学校」に求められたのです。(この項続く)