大学教育は人生と社会を豊かにする公共投資

【雑感】河合塾・リアセックによる「ジェネリックスキル測定テストの説明会」に出かけました。矢野眞和先生(桜美林大学)の基調講演の「結論」がこれでした。大変興味深く、進学校の高校生にうまく伝えれば、進学意欲・学習意欲が高まるのではないかと思いました。
 2つの柱があります。1つは経済的な効果。大学を卒業した人は生涯賃金が高くなり、納税額も上がるので社会的にも効果がある、というものです。2つ目は、大学を卒業した人は所得が上がるのですが、その構造におもしろさがあります。
 調査結果の分析では、「大学時代の読書量」→「所得」の直接効果を分析するとここには相関関係がない。しかし、「大学時代の読書量」と「現在の読書量(社会人に調査しています)」には正の相関関係があります。また、「現在の読書量」は「所得」との相関関係があるというのです。
 つまり、大学時代に読書習慣が身に付いていた人は、その後、社会人となってからも読書習慣を継続する人が多い。そして、読書習慣を続けている社会人は所得増加の可能性が高い。ということです。もっと推し進めて言えば、「大学まで学ぶ方が生涯学習の習慣が付きやすく、所得も増加しやすい」ということのようです。私が担任だったら生徒にすぐに話していると思います。
 尚、詳細は近日出版予定の以下をご参考に。「大学とコスト――誰がどう支えるのか (シリーズ 大学 第3巻)」(上山隆太編著、矢野眞和他著/岩波書店)