自己紹介2

 現在の物理の授業にたどり着くまでの経過を紹介しておきます。最初に勤務したA高校はいわゆる「荒れる高校」でした。空手の経験がいろいろな意味で役立ちました。そんなときに上司に「そんなことやってちゃダメだ。これからはカウンセリングの時代だ。勉強してこい」と一喝されてカウンセリングの勉強を始めました。その中ではグループに興味を持って、グループエンカウンター、Tグループなどを中心に勉強しました。
 次に転勤したB高校では「キャリア教育」をテーマにした「総合的な学習の時間」のプログラム開発を担当しました。グループワークを提案したところ、「私たちにはでききない」と跳ね返されました。これを乗り越えるために「ワークシートによるグループワーク」を開発しました。そうすると生徒たちは実に生き生きとワークに取り組みます。誰も居眠りなんてしません。「私の物理の時には寝ている生徒たちも」‥寝ないのです‥?!
 これが大きな刺激になりました。楽しく学べて、居眠りのない、「物理の授業」はつくれないものか。そう考えているうちにC高校に転勤しました。

 C高校では今になって振り返ると現在の授業の基礎的な力をつけていた気がします。3つです。1つはパワーポイントとプロジェクターを使えるようになったことです。元々は苦手な生物の授業を担当したために、その困難を乗り越えるための弥縫策でした。
 2つは「アクションラーニング」というスキルに出会ったことです。別項で詳しく論じますが、このスキルが授業ファシリテーションの考え方とスキルアップにとても効果がありました。
 3つ目はカウンセリングの大家ロジャーズが「学習者中心の教育」の必要性を説いていたことを知ったことです。大きな勇気を得た気持ちになりました。
 そして、2007年に越ヶ谷高校に転勤しました。ここで実に多くの人たちに出会い刺激を受け、支えてもらいながら、新しい授業に着手しました。この経過は次回に述べることにします。