新しいオンライン・マナー

 【授業研究】オンラインで研修会を数多くこなし、児童・生徒向けのオンライン授業について質疑応答をしたり、情報交換をしたりしていて気が付いたことがあります。
それは政府が提唱する「新しい生活習慣」と同様に
「オンラインでの新しいマナー」が必要だと感じます。
いくつかの例をあげます。

★「静かにしなさい」「黙りなさい」→「マイクをミュートにしてね」
  オンライン研修会で誰かのPCから雑音が入ると困ります。
 教室であれば「静かにしなさい」というところです。
 しかし、それはとげとげしいので、
 私は「マイクをミュートにしてください」と言います。
 Zoomを使った研修会では当たり前に使われるようになってきました。

  これはオンライン授業でも子どもたちに使いたいものです。
 子どもたちが家庭にいるときは、その子供が話していなくても雑音が入ります。
 親や兄弟が話しかけることもあります。
 小さな妹や弟が寄ってくることもあります。
 そんな時に「静かにしろ」は失礼です。
 「マイク、ミュートにしようね」と子どもたちに教えたいものです。

  このアドバイスをした小学校の先生は
 「低学年の子たちでも、マイク・ミュートは
 すぐにできるようになりました」とのことです。

★「部屋を片付けろ」→「仮想背景がいいよ」
  オンライン授業ではご家庭の一部分を覗き込むことになります。
 webカメラに映る範囲だけでも片付けるのもなかなか大変です。
 うかつな言い方をすれば保護者を傷つけます。
 プライバシーの侵害にもなりかねません。
 子どもたちには「仮想背景」を勧める方が良い気がします。

★「すっぴんだから‥」と嫌がる女性にはスナップカメラ
  保護者からの相談にもZoomなどでのオンライン面談は有効です。
 しかし、おうちにいる「お母さん」には「部屋を片付けなくては」
 「化粧しなくては」という負担があります。
 家庭訪問の際は「玄関先で失礼します」のひと声が役に立ちました。
 同様の効果が期待できるのが「仮想背景」とともにスナップカメラです。
 化粧をしているように見えたり、
 アバターのような画像ですっぴんを隠すことができます。

★最も簡単なのは「カメラをオフ」や「耳だけ」
  仮想背景やメイクアプリは使えないこともあります。
 最も簡単なのは「カメラ、オフ」です。
 カメラオフは名前が表示されますが
 「耳だけ」とお茶目な表示も流行っています。
  ホストとして「ビデオなしの参加者を非表示」にする方法も簡単です。

  実はもっと気になっているのは、
 オンライン授業の際の「授業規律」「学習規律」は
 どうすればよいかという質問です。
 その背景には「起立・礼」「姿勢を正す」「制服着用」を
 するべきだという主張があります。
 いずれも私はあまり賛成ではありません。
 「教室での常識」がオンラインで「家庭とつながる教室」に
 なってきた現在、
 それでも通用するオンライン・マナーを考えたいものです。

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