動画作成難しさと楽しさと

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【授業研究】先日丸一日かけて研修会で使う動画を作成しました。新しいオンラインツールを使って「教科授業」の「質的向上」と「教師の負担軽減」にチャレンジしようという試みのための実験です。狙っていたことは2つあります。

 1つは「内容」です。授業用にと言っているのですから、高校の教科書にありそうな内容にしたいものです。しかし、参加する高校の先生たちが既に知っていることばかりではつまらなくなりそうです。そこで「みんなが知っていること」「物理を取っていなかった人には新鮮だけど、ついてこられる内容にすること」「物理を取っていた人でも案外知らないことが含まれていること」を狙いました。

 この欲張りな内容を満たすための工夫は以下です。テーマは「ドップラー効果宇宙論」。救急車のサイレンや列車の警笛の動画を見せて確認したうえで、音波の原理を基にしながら「波長が変化する理由」を知ってもらいます。ここまでは高校物理の内容。それに加えて「光でもドップラー効果が起きること」「天文学では赤方偏移の発見が大事件だったこと」などを知らせて、「宇宙膨張」が想起され、「ビッグバン理論」につながっていく‥というストーリーです。ついでに「宇宙は無限」とい世界観は実は最近の宇宙観であることや、「天の川という実体はない」ことにも触れて、「へー」と言わせようということも試みました。

 2つ目は「時間制限」です。オンライン研修会の1部の時間を割いて行うので、それほど多くの時間をとることは出ません。打ち合わせ会議では「10分間」の時間をもらいました。上記の「内容」から想像してもらえると思いますが、解説・動画等々がかなりたくさんあります。これらをどうやって10分間に入れ込むのか‥苦労しました。ざっと作ってみた試作版は15分間。これをもとにあちこちを削ります。これをやって気が付いたのは、説明は簡潔にしようとして見直すと、無駄なところが案外多いこと。結果は10分40秒。ま、いいか、というところです。

 これができたのでついでに遊びで1分間の予告編も作成しました。これは動画を切り貼りして字幕で解説を入れると楽なことを以前に学んだので簡単。字幕表示時間を調整することもうまくなりました。面倒なことも多々ありますが、10年以上前には朝から晩まで取り組んで3~4日かけていたことが数時間でできることがとても楽しくなっています。今日からもう1つの動画作成にチャレンジします。また腕を上げたいものです。