オーストリアでは手を上げない!

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【授業研究】対面研修会で伺った学校で聞いた印象的な話をメモしておきます。その先生がオーストリアで教員として仕事をしていた時の経験談です。ナチスドイツに対する警戒感は未だに強烈だという色々な事例を聞きました。特に印象的だったのが、「手を挙げない」「手を挙げさせない」です。

 その理由は「ハイル、ヒトラー!」とともに片手をまっすぐに上げる敬礼を連想させるから、というものです。学校の授業中に発言の許可を得るために手を挙げる際も、日本中でやっているようにまっすぐ手を挙げさせないとのこと。肩の高さ程度までしか挙げさせないのだと言います。小学生などに横断歩道を渡るときの指導をするときも、肘を曲げた程度にしか挙げさせないということです。

 これは凄い。色々な国の教育事情は現場にいる人たちから聞いてきましたが、この話は聞いたことがありませんでした。最近はフランスの人たちと定期的にオンラインでお会いしていますが聞いたことがありませんでした。それとも当たり前なので話題にならないのでしょうか?今度、訊いてみなくては。

 アメリカのドラマや映画に出てくる学校のシーンでも生徒たちは手をまっすぐに上げているような気がします。アメリカとヨーロッパの感覚の違い?それとも甚大な被害を受けたオーストリアだから?オーストリアにはヒトラーの生家があることの原因?{この場所は立ち入り禁止。近々、刑務所になるらしい}

 そんな国の人たちから見たら東京オリンピック(1964)の入場行進の際の日本人チームの挙手はどう映ったのだろうか、などと思いを巡らしてしまいました。「ヒトラーが始めた聖火リレー」の話も出てきました。日本ではほとんどの人が知らないように思われるこの話も、オーストリアでは常識のようです。

 良い話を聞くことができました。

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