定年退職と教職

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【授業研究】学校現場では公立学校が65歳定年に向けて進んでいます。再任用は65歳まで。そのあとは非常勤講師なら務められますが、いずれにしても賃金は65歳以降かなり低下します。経済的な不満や不安も大きいとは思いますが、自分の価値が低く見られてしまうことへの落胆が大きいのだろうと思います。では教員以外の仕事も考えればよいのでは?という意見も出てきますが、大半の方は「教師以外はできない」とおっしゃいます。「今さら新しいことはできないよ」の意見もたくさんあります。

 その一方で企業は70歳定年を検討しています。中には「定年制」そのものをなくしてしまう企業も出てきました。元々、定年制は人口増加期に発明されたシステムですから、人口減少期に入っている日本でこの話が出てくるのは当然です。

 そうなると、若い先生たちやこれから教師になる人たちは「定年がない時代の働き方・生き方」を意識する必要があります。教職を「いつやめるか」「そのあと何をするか」を計画しておく必要があります。より積極的にいうなら「次の仕事のために必要な力を身に付けるために」、「いつまで、どんな風に教員として働くか」を計画しておくことが必要です。

 残念なことに私の知る限りでは教育委員会はこういう指導をしてくれていません。してくれないなら「自分たちで学ぶ」意識が必要です。私自身はそんなことを何も考えずに仕事をしてきてしまいました。後先考えずに再任用を拒否してハラハラした瞬間もありましたが、その後、大学教授の仕事をして、現在は会社社長です。私一人でけの会社ですが‥(笑)。

 この間、私は大学院に行ったこともありません。今でも仕事をしてられる力は「教師としての仕事をするだけで」身に付けてきました。つまり教職はうまくやれば転職能力を培うことができるということです。「100年人生」を考えると、リンダ・グラットンが"LIFE SHIFT"で強調している「変身資産」は今の教職でも充分に鍛えることができるということです。その中心は「教科授業」です。担任活動、生徒指導もそうです。私にとっては教育相談もとても役に立ちました。

 教師の仕事が様々な力を身に付けることができる仕事になるように質を上げたいと思います。これからの教師を体験する人は仕事を通して着々と力をつけ、いつでも好きな時により賃金の高い仕事に転職できる‥そうんな仕事になることを夢見ています。 

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