変化する「定年退職観」

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【授業研究】何年間か授業改善で協力していただいてきたある公立高校の校長先生とZoomで今年度の振り返りをしました。「もうすぐ定年退職です」と言われてびっくり。私はもう1年あると勘違いしていました。「退職後はどうなさるのですか?」と尋ねると「フルタイムで授業を持ちます」とのこと。管理職の退職後も大きく変わったことを感じました。

 私が大学空手部で大変お世話になった大先輩は公立高校長でした。私より22~3歳年長、ご存命なら現在90歳くらいになる年代です。この方は当然、60歳で定年退職。完全に仕事を離れて悠々自適の生活に。が、3年ほどたったころに突然亡くなりました。その時、周囲から言われたのが「退職校長が退職してから5年以内に亡くなることが多いんだよ」でした。それほどの激務だったということなのでしょう。

 調べてみると当時の日本人男性の平均寿命は74~75歳ですから、63歳前後で亡くなったのはとても早かったことがわかります。それから20年ほどのちの2013年に私は定年退職しました。その少し前から「再任用」が始まりました。私と同年の人たちの大半は再任用を希望しました。「希望しません」と宣言した私に校長が目を白黒させたのですから、よほど珍しかったのでしょう。しかし、当時の再任用の皆さんはフルタイムの人は少数派でした。年金との兼ね合いがあったようです。このころ退職校長の中にも少しずつ再任用で授業を担当する人か出てきました。

 冒頭の校長先生によれば、現在では元・校長がフルタイムで授業を担当するのは当たり前になってきたし、「退職後5年間の壁」も昔話ですね、とのこと。2030年には公務員の定年も65歳になります。一般企業では70歳定年の話も出ています。定年制そのものがなくなるという話もあります。元々、定年制は人口増加社会のために作られたシステムですから、これは当然の流れです。

 とはいうものの、「時代の変化」と「私の感覚」とのギャップを改めて強く感じました。現在68歳の私は再任用の年齢も「新定年」の年齢も超えています。それでも気持ちは現役のころとあまり変わることもなく、新しいことに関わっています。

 自ら挑戦しているというより、その機会をあちこちからいただいていることによります。新しいツール等を紹介してもらい使い方を考えています。現場の先生たちから色々な問題を突き付けられます。それらの解決策を一緒に考えるのも楽しいことです。幸せなことです。 

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