面白い

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【授業研究】仲間内のゆる~い読書会でこの本を楽しんでいます。同じ著者による「具体と抽象」に続いてこの本を取り上げています。書いてあることは私にとって目新しいことではないのですが、整理ができることと具体例が豊富なので人に説明するときのヒントになります。

 最も楽しいことは、メンバーの体験や意見交換です。具体や抽象のとらえ方は人によって異なることを痛感します。物理学科の学生だった頃に、数学科のトポロジーの授業(数人しかいないゼミのような授業)に必要があって参加していました。この時に同じ教科書を理解しようとしているのに、物理科と数学科のアタマの中で描いていることが異なることがよくわかりました。

 純粋数学の分野の教授や4年生の学生は「抽象を抽象として直接理解する」のに対して、物理科の学生(私)や教授(物理科の教授も出席していました)は「抽象を具体を媒介にして理解しようとする」のです。抽象を抽象として理解する力に驚嘆し尊敬できるようになってきた体験でした。彼らは物理科が「具体と抽象を激しく行き来できる」のに驚いていたようです。

 これと似たようなことが今の読書会の中でも起きています。「〈具体と抽象〉を行き来する力が必要だ」とよく言われますが、その「具体的なあり方」は個性の違いや受けてきた訓練の違いにありそうです。そんなことを考えさせてくれる本です。これからの執筆の良いヒントにもなります。

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