初めての小学生向け授業(1/3)

【授業研究】これまでに高校生・大学生・中学生には色々な形で授業をしてきました。小学生には1度もその機会はありませんでした。昨日(2020/1/9)は、初めてその機会を得ることができました。それも「特別支援教室」の小3~小6の子どもたち6人を相手に「理論物理」の授業をやってきました。楽しい体験になりました。

 この話はたまたま知り合いの出版社の方を通して、特別支援教室の先生を紹介していただいたことがきっかけになりました。飲みながら私が話していたのは「特別支援教室にいる子どもたちは過小評価されている気がする」でした。少し落ち着きがない、集中力が途切れやすい‥という点だけで、通常教室から離れているけど、知的にはあまり問題ない気がすると私は感じているからです。

 これは私自身の体験からも感じていることです。小学生時代の私はかなりムラがありました。忘れ物は多いし、机の中はぐちゃぐちゃだし、算数・数学はほぼ満点だけど、社会科・図画工作・音楽・体育はボロボロ‥でした。あきらかに、自閉症スペクトラムに入る子どもでした。今でも、専門家は私を見ると、「そうだとわかりました」と言います。

 それでも私は当時の先生たちにとてもやさしくてもらい続けました。ほとんど強く叱られた覚えはなく、温かく支援してもらっていました。高校時代は担任だけでなく、クラスメイトにもずいぶんと支えられてなんとか卒業できた気がします。

 そんな私なので、特別支援教室の子どもたち向けの「特別授業をやりませんか?」と声をかけてもらったときに二つ返事で引き受けました。テーマは「理論物理」それも得意の「宇宙論」でやろうということにしました。小学生相手ですから、もちろん「数式を使わない物理学」ということになります。

 詳しい打ち合わせをしたのは、昨年の10月でした。12月に入ってから色々な仕事の合間に少しずつ考え始めました。具体的に進めるとなると、これはなかなか大変でした。どんな構成にするか、中学生の基礎知識もない子どもたちにどうやって、すんなり理解させていくか‥悩みます。論理的な飛躍をすれば簡単なこともありますが、それはどうもインチキっぽいし‥。年末年始にだいぶ形は出来たのですが、考えるたびにスライドを作り変え、結局、当日の朝まであれこれ調整をして出かけることになってしまいました。[この項続く]

◎「アクティブラーニング入門3(小林昭文著/産業能率大学出版部)は

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