学年主任の思い出

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【授業研究】Aさんから「話したい」と呼び掛けられてZoomを設定しました。困っているのは同僚のSさん。4月からAさんは校内人事異動でSさんが学年主任を務める学年に入ることになりました。以前からAさんとSさんはよく話し合う関係なのですが、同じ学年段に入ることになって話していると、Sさんの悩みが深そうだから聞いてほしいということでした。

 聞けば学年主任として色々と模索しているようでした。迷走している面もありそうでした。私も何回か学年主任をやりましたが、学校は「鍋蓋式」組織と言われている中で学年主任はなかなか難しいポジションだと思います。「偉そうに」すれば嫌われるし、「担任と同じように」すれば煙たがられるし、「何もしないでいれば」無視されます。

 教諭同士という「対等な人間関係」の中で、学年としての「共有ビジョン」を示し、それを実現するために「担任とは異なる仕事」を担当しながら「協働する」という「複雑で面倒な活動」をしなくてはなりません。

 私は学年主任を経験する前に「生徒指導部主任」と「教育相談係」の2つのポジションで学校全体を動かす仕事をしていました。生徒指導部主任は全校集会では校長の次に話をするし、退学処分などの決定には大きな発言権を持っています。その意味ではいささか「対等」とは言いにくい権限・権威を漂わせています。

 一方、相談係は生徒指導部の中の係のひとつです。何の権威・権限もありません。しかし、全ての生徒・保護者から相談を受け生命に係わる介入もするし、人生や家族を左右する相談を受けることもあります。職員全員に対して「危機」を宣言し自殺予防に対する指揮を執ることもあります。

 それらを経て学年主任をすることになったときの私の理解は、「学年主任」は生徒指導主任と相談係の中間的な仕事だととらえました。そしてカウンセリング等に強いという自分の強みを活かしてこの仕事に就くことにしました。‥それはそれは楽しい仕事になりました。Sさんの悩みを聞き、そんなことを思い出しながら少しアドバイスをしました。このあともサポートすることになるかもしれません。こんな相談を受けるということ自体をとてもありがたいことだと感じます。

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