細かいことが気になります

【授業研究】「相棒」の杉下右京氏のように「細かなことにひっかかること」が私にもよくあります。最近は「質問と回答」のスキルが大事と感じていて、それらのトレーニング方法を考えて提供したりしていることもあって、他人の会話も気になります。以下はある番組の中での司会とコメンテータ(地震が専門の大学教授)とのやとりです。

 先日(2021/2/13)の東北地方の大きな地震について報道担当が解説していました。今回の地震は「ガタガタとした揺れだから本棚の本などがたくさん落ちた。前の時はゆらゆら揺れる地震だったから建物が倒れたりした‥」などの話をボードを使って説明していました。ボードには「周期が大きい→大きい建物が倒れる」「周期が小さい→本などが落ちる」と表示してあります。そこで司会がコメンテーターに質問します。そこからのやりとりです。

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司会「周期ってなに?」
コメンテータ「揺れ方です」
司「小刻みに揺れるのとゆらゆら揺れるのでは違うということですね」
 「ゆらゆらでも1~2秒ということですか?」
コ「そうです。1~2秒から数秒ですね」
司「それ、長いんですね。揺れ方としては‥」
コ「はい、長いと感じると思います」

 私は「?」と感じました。質問に答えていない!私はこの司会者は良い質問をしたと思います。ボードには「周期」という言葉が何回か出てきたのですが、「定義」は書いてありません。そこで「周期が大きい」「周期が小さい」という意味がわからなくなって質問したのだと思います。それに対して「専門家」が「揺れ方」ですと回答したのは失敗でした。ここでは「定義」を聞いているのですから、「簡潔に定義を答えるべき」でした。

 「周期」とは「振動=行ったり来たりする運動=地震による揺れ」の「行って戻ってくるまで=つまり一往復する時間」のことです。「ガタガタッ」という揺れの周期はおよそ1/10秒前後です。「ゆらゆら」という揺れの周期は1,2秒から5~6秒になることもあります。

 「揺れ方」という答えは間違いとは言いにくいのですが、「揺れ方=振動」を表す要素には「揺れ幅=振幅」「強さ」「振動数=1秒間に往復する回数=周期の逆数」などがありますから、この回答は専門家の回答としては、私は不適切だったと感じます。論理学的に言えば「具体を訊(たず)ねている質問に対して、抽象的に回答した」ということになります。

 「テレビなんだから‥」といういう人もいるかもしれません。しかし、大学教授が専門家として出演しているのです。せっかくの「良い質問」に曖昧に答えたことは「どうでもいいでしょ」と聞き流せないのです。‥はい、私の悪い癖なのでしょうね~(笑)

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