ようやく「否定の否定」の段階へ?

【授業研究】[完全な忘備録です。意味不明の方が多いと思います。ご容赦ください]

 弁証法の三法則は「対立物の相互浸透」「量質転化」「否定の否定」です。私の授業改善研究はようやく「否定の否定」の段階にたどりつきそうです。
 第1の否定は13年前の新しい高校物理授業への挑戦でした。自分自身がそれまで実施していた「説明をすること中心(≒ワンウェイ)」の授業形式を「否定して」、「グループワーク中心」の授業に切り替えました。これは私自身の実践に対する否定であるだけでなく、日本の大半で行われていた「伝統的な授業形式に対する否定」でもありました。これが「第1の否定」でした。

 それから10年以上を経て最近の私は「基本パターン」と「基本スキル」が大事であることを主張して、組織的な授業改善を複数の学校に提案しています。この中の「基本パターン」は3つありますが、私の高校物理授業を基にしたパターンも含まれていますが、ワンウェイの授業を基にしたパターンも含まれています。体育や芸術などの活動量を増やすことを第一義にするパターンもあります。つまり私は第1の否定でつくり上げた「自分自身の授業」の研究を進めてきて、再びこれを否定したことになります。これを「第2の否定」といいます。

 この工夫によって現在複数の学校で組織的な授業改善はかなり順調に進行し始めています。つまり「一度他のありかたに変えて進行させ、あとでまたもとのありかたにもどすというやりかたこそ、大きな進歩であり、大きな利益を生み出している(※1)」ことになります。この大きなまわり道のことを弁証法では「否定の否定」といいます。

 もう少し詳しく説明します。「3つの基本パターン」は「全ての授業パターンを包含」します。現在、どんな授業を実践している人も否定することなく、全ての授業形式のブラッシュアップを実現しようとしています。ただ伝統的な授業形式をそのまま認めるのではなく、質的な転換を実現するために「基本スキル」を入れ込んでいます。

 この「基本スキル」は伝統的な授業の基本的なスキルを再び取り上げているように見える部分も多々あります。しかし、その意気付けは大きく変化しています。つまり、「基本的なまわりみちの中にさらに別のまわりみちを立体的に組み込んで、複雑ではあるがヨリ合理的なものに改良した(※2)」ことになります。

 私の「授業改善」への取組みは高校教員になった1988年から始まりました。それから19年後の2007年度に「第1の否定」をして新しい授業を編み出し大きな成果をあげました。更にそれから13年たってから「第2の否定」をしたことになります。本格的に物理学と空手・武道を軸にして弁証法を学び始めたのは1972年ですから、そこから数えると48年目になります。ようやく弁証法の理解が1歩進んだと言えそうです。

[※1,2「弁証法はどういう科学か(三浦つとむ著/講談社新書)]

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