学生の負担が軽く楽しく学べるオンライン講座の準備

【授業研究】COVIT-19の影響で大学の授業が大変なことになっています。私が担当していた大学の授業はもう一人の担当の方も一緒に退職してしまったので、後任の先生の負担はとても大きいものになってしまいました。14回授業のうち4回はオンラインでカバーすることになりましたが、それ以上の回数もオンラインになる可能性もあるので、準備をせよと指示が出ているようです。

 そこで私が手伝うことにしました。もとになる説明用のpptデータや練習問題・解答解説などは全て持っていますから、これらをどうオンライン講座にしていくかです。一部では先生たちが続々と「レポートに替える」といううわさ話も出ています。これは学生にとっては、とてつもない負担になります。何科目分もの教科書や資料を読みレポートを書き提出するとなると、ものすごいストレスになりそうです。下手をすればコピペが横行しそうです。それは避けたいものです。

 そこで後任の人にオンライン授業のモデルをつくり上げて、その作り方を教えるために、退職して1週間もたっていないのに大学に出かけました。長年のお付き合いの皆さんのいる事務室に行って「おはようごさいます。受付してください」というと「え?どうしたんですか?」「部外者だからね~」「ああ、そうですね~」などのやりとりをしながら、「ゲスト」のネームブートをぶら下げて後任の先生の研究室へ向かいます。

 モデルとして作成したオンライン講座用のデータはpptに音声・レーザーポインターの動き・スライド送りのタイミングを記録させています。学生がサーバーからダウンロードしてスタートボタンを押せば始まります。

 内容は次のステップです。「1 前回の復習(小テスト・解答解説)」「2 新しい分野の解説と演習(例題の説明を聞いてワークシートに答案を書き込む、を繰り返す)」「3 答案の撮影と提出(手書きの答案をスマホ等で撮影してサーバー上に提出)」、これで終了です。時間は、「準備・撮影・提出等に10分間」「復習テストと解説確認・修正等で20分間」「解説は全部で25分間」「答案作成は15分間×3回=45分間」、合計で約100分間。通常の大学授業の時間と同じです。これ以外にテキストを購入させているので学生が自主的にそれらをもとに調べたり更に練習問題を解いたりすることも可能です。これまでリアル授業で行っていた時とほぼ同じ授業と学習の質を維持できると言えそうです。

 これを後任の先生に研究室で見てもらいました。大喜びです。「わかりやすい」「ねむくならない」「連続視聴時間は短いから、次をやる気になる」「手書きを提出させるとコピペもできないし、学生も手を動かすから理解が深まる」‥と大喜びしてくれました。「‥‥でも、こんなのどうやってつくるの?私にできるかなあ?」と不安な様子です。

 「はい、大丈夫ですよ。私も最初は少し戸惑いましたが、あれこれ探って理解できました。パワポで説明している時と同じです。コツはコンパクトな説明、少し早口、繰り返さない、えーあーを言わない‥などです」‥これらは最近、授業改善指導の際に多くの先生たちに指導していることです。つまり、リアルでの説明が下手な先生にとっては、オンライン講座用のデータ作成は難しいということです。これを逆手にとって、オンライン講座準備をしながら説明スキルをブラッシュアップすることも可能になりそうです。録音に失敗しても1スライドごとに修正をすればよいので、気が楽です。

 ということで伝達は終了。実は私は学生たちがこの動画を基にした学習を数人ずつ協働してやてくれないかなあ~と期待しています。PCの前で一緒に視聴して問題を解くときには質問したり教えたりすれば、1人でやるより楽しくやれるし、学習の質も上がるからです。ZOOMを使ってパワポの説明を共有してみて、問題を解くときはZOOM上で話し合ったり、お互いの答案を見せ合ったりすれば、リアルのグループワークと同様に取り組むこともできます。学生時代にZOOMに習熟することで就職してからも役に立つはずです。

 さてさて、私のつくったモデル・データはどのように活用されるのか、楽しみです。

◎「アクティブラーニング入門3(小林昭文著/産業能率大学出版部)」は

 こちら→https://www.amazon.co.jp/dp/4382057744/

f:id:a2011:20190822064657p:plain

◎お問い合わせ、研修会講師等のご依頼はこちらへとうぞ。

  →akikb2★hotmail.com ★をアットマークに替えてください。