一気読みの面白さ

【授業研究】他の本を注文する際に「これも面白そう」とついでに購入した本です。しかし、寝る前にちょっと読み始めたら面白くてやめられない‥。睡眠リズムはあまり変えたくないので我慢して途中でやめて就寝。こんなことは珍しいのです。翌朝、早速続きを読み終えてしまいました。「学校に入り込むニセ科学(左巻健男著/平凡社新書)」がその本です。

 小学校や中学校で「ニセ科学」や「トンデモ本」として知られている内容を先生たちが信じ込んで教えていたという話は、にわかには信じられないほどの衝撃です。「いつ、どこで、誰が」この授業をやったというデータはないのですが、有名なサイトに「授業案」が出ていたのなら、実践した人がいるのかもしれません。

 昔、有名だった方が(今も‥かもしれませんが‥)、かなりきわどいことを主張されていたのだということを知り、その影響力の大きさを考えると、ぞっとします。この中で指摘されていることで、実は私も間違えていたことがありました。うかつに人に話さないようにしなくては、と思います。

 後半に出てきた高校入試の理科の問題の間違いにも驚きました。30年くらい前のことを思い出しました。私はまだ空手に夢中になっていた時期です。すでに社会人として活躍していた大学の同期の友人は小学校の先生として活躍していました。その友人から「教科書の理科の記述が理解できない。教えてくれ」と電話がありました。どう書いてあるのかを聞いて、「ああ、それはこう理解すればいいよ」と解説しました。しかし、「その内容自体がおかしいよ」と解説しました。友人は「これ、教科書にも資料集にもかいてあるんだぜ」と反論。なんだかなあ‥とモヤモヤした気分で電話が終わりました。ところがその後、この内容は問題になりました。

 私もその記事を読み、友人もそれを読んで電話してきました。「お前が言っていた通りだった」「だろ!」と自慢したことがありました。30年も前の話です。それなのにこの本によれば、2013年度の高校入試の問題に全く同様のミスがあったというのです。しかも、この問題を文科省の役人が「良問である」と評価したとのこと。(本書p-114~118)

 30年前の教科書で学んだ人が大人になっても、それを正しいと信じているために起きていくことなのかもしれません。私自身も気を付けたいと改めて思います。

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