教科書で充分なんです。

【授業研究】専門学校の研修会の目玉は、資格試験対策の授業を、私の考えで実施し、体験してもらうことでした。授業担当の方に資料をいただいてアレンジしました。いただいた資料は以下です。

・教科書のコピー(a)

・先生が作成した解説資料

・国家試験の過去問(7題)(b)

・過去問の解答(問題に先生がメモしたもの、学生配布用ではない)(c)

 それらをいただいて私が作った資料は以下です。

・教科書のコピー(a)

・「練習問題」と「確認テスト」(過去問を4題と3題に分割)(b)

・「練習問題の解答」「確認テストの解答」(c)(先生のメモ入りをそのまま)

・教科書の冒頭の説明を基にしたパワポデータと印刷資料(オリジナル)

 進め方は以下です。

1 パワポスライド4枚でこの単元の概要説明と短いワーク(15分間)

  グループで問題点を考える。

2 過去問と解答を渡してグループワーク(20分間)

3 確認テストと総合採点

 要するに「先生が作成した解説資料」は使いませんでした。すると、あちこちで上がった声は、「え?教科書だけで解けるんだ~」です。先生が一生懸命に作った数ページの解説資料がなくても生徒役の先生たちは懸命に教科書を読みこみ、時にはスマホでネット検索をしていくと、専門外の先生たちでも教科書だけで解けてしまいます。

 これは私の物理授業も同じでした。私は教科書以上のことは何も教えていませんでした。それでも生徒たちは大学入試問題をきちんと解けるようになっていました。私は教科書はとてもよく作ってあると感じています。教科書を基に対話的な学びを進めれば、大半の大学入試問題は解けます。それによって、先生たちが膨大な資料を作ることからも解放されます。

 場合によっては先生たちが作った「丁寧すぎる解説資料がないと学べない生徒」を育成してしまうことになります。そうすると大学では落ちこぼれます。或いは、大学でも「資料ください」「テストの予想問題ください」などと言いだします。

 「教科書で充分」なのは、高校でも、専門学校でも同じことだと感じました。

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