【授業研究】〈公開研究に向けての新しい試み(2)〉の最後、校長先生からの「待った」がかかったところからです。
放課後の全体研修会の中で、個々の先生たちにアドバイスをしようとしていたところに「待った」がかかった理由は、「先生たちにそのプレッシャーは大きすぎる」でした。個々の先生たちの性格や事情を良く知っている校長先生は「問題があるのは確かだけど、それを直接、みんなの前で話したら落ち込むだろう」というのでした。
うーん‥まあ、それはありそうな話です。自分の技量の欠点を知ってもらうことは大切ですが、それは成長するためにです。そうなるように受け止めることができない人に欠点を指摘することは教育的とは言えません。「入門3」は「授業者を傷つけない振り返り会」を中心にしていますが、その著者である私が授業者を傷つけることをしてはいけないということです。
ではどうするか?研究主任と話し合います。この話し合いに30分くらいかかりました。方針は個々人の欠点を指摘するのではなく、3コマの授業を見学して、小林が感じた「授業スキル」の問題点と改善策を列挙するということでした。
「でも。最もわかって欲しい人は、自分のことについての指摘を理解しないということがありがちですよね」と研究主任。それも確かに。そこで「では、各自が自分にとって一番必要だと感じた問題点と改善策をカードにメモして持ち帰るにしましょう。提出はなし。こちらの意図通りに気づいてくれるとは言い切れないけど、今回はそこまでということですね」と折衷案。
これは授業中に「チームで協力できていますか?」と質問で介入しても気づいてくれない生徒もいます。その時に「今日はここまで」とあきらめるのに似ています。無理強いすればプレッシャーをかけてしまいます。主体的な学びにはなりにくく、時には信頼関係を損ないます。
という経過を経て、放課後の研修会に臨むことになりました。[この項続く]
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