公開研究に向けての新しい試み(2)

【授業研究】 公開研究会の1ヶ月ほど前に提案授業担当者の「普段の授業」を見学に行きました。4,5,6時間目の授業を見に行きます。研究主任の授業は全部空きにして、なるべく提案授業対案者が当日のクラスになるようにシフトしてあります。

 管理職の研究主任も「授業者の腕を上げるようにしたい」という意識は明確です。特に若い研究主任は私の視点を理解しようと食い下がります。この熱意には応えたいと思わされます。

 普段の授業を見に行くと、公開授業とは異なることがたくさんあります。例えば、「始業時間に遅れていく先生」もいます、「前の時間の積み残しをやらないでスタートして生徒に指摘される先生」もいます、「なんだか機嫌の悪そうな先生」もいます。まあ、そんなことは普段の学校では時々起きることです。私も大胆な授業改善に踏み込む前には、そんなことはしばしばやっていました。(大きく変えてからは、そんなことは皆無になりました。全てが緻密な計画に沿って進み始めたからです)

 授業改善アドバイザーとしての私の役割は「たまたまその時に起きたミス」を指摘することでなく、「個々の先生の授業スキルの問題点を改善できるように指導すること」です。この視点を維持しながら丁寧に観察していきます。そうすると以下のようなことが見えてきます。

・説明の時に教科書やノートを見ながら説明する。

・説明するときに前方の数人の生徒だけを見ながら説明する。

・グループワークの際にほとんど生徒たちを見ない。

・グループワークの際に巡回するグループに偏りがある。

 その他にも色々なことが目につきます。それらについて研究主任に説明しながら校内を回り続けます。そうすると「あの先生はこんな問題もあると思います」などと役立つ情報も教えてくれます。

 放課後の研修会では私が解説する時間が50分間用意してあります。当初私は見学した数人の先生たちの事例を取り上げてアドバイスをしようと思っていました。そのやりとりを全員にみてもらうことが全員にとっての学びになると思っていたからです。

 ところが、校長先生からは「いやいや‥」と待ったがかかりました。[この項続く]

◎新刊「アクティブラーニング入門3(小林昭文著/産業能率大学出版部)は

f:id:a2011:20190822064657p:plain

小林のHPはこちら。研修会講師のご依頼もこちらからどうぞ。

  →http://al-and-al.co.jp