AL型授業実施率は9割以上?でも講師依頼は増加?

【授業研究】感覚的には2,3月の研修会講師の数は減ります。私の予定はガラガラになります。どの学校でも年度末の成績処理や行事、更には新年度に向けての準備で忙しいからです。‥と思っていたのですが、今年は、暇なはずの2,3月の予定は気がつくとほとんどいっぱい‥になっています。

 記憶違いかなと?と思って去年同時期のスケジュールを見直すと‥「ガラガラ」というのは少し記憶違いで、ある程度は講師が入っていました。それでも去年は今年に比べるとスケジュールに余裕がありました。なにせ、1週間フィリピンに滞在していたくらいですから。

 4月以降の講師予定も去年以上のペースで着々と埋まっています。これは現場でのニーズが高まっているのだと私は理解しています。実際に現場からは「取り組まなくてはならない」「それなのに何もやっていない」という焦り、更には「なにをどうやればよいかわからない」「抵抗する人たちに説得できない」などの悲鳴にも似た生々しい声をいただいています。

 その一方で不思議なことがあります。以下は「教育新聞2019/2/28」の記事です。

全国の全日制高校を対象に実施した、アクティブ・ラーニング(AL)や、大学入学共通テストなどに関する調査の結果を、リクルート進学総研がこのほど公表した。「AL型授業」に関しては、9割以上が導入。「学校全体で導入している」高校は、2014年調査の3倍以上に増加した。また、約半数の高校が「生徒の学びに向かう姿勢・意欲が向上した」と回答。課題や改善点には▽教員の指導スキルの向上(58.6%)▽教材開発や授業準備の時間確保(54.9%)――を挙げた。

全国の高校の9割以上が導入?? もしそうなら、私への講師依頼はどんどん減少するはずです。現場からの生々しい声とも矛盾します。ひっかかりを感じながら、この記事を更に読み進めると以下の記述にたどり着きました。

同調査は昨年10月に、全国4703校に調査票を郵送。10月31日までに回答が到着した1203校を集計対象とした。

 1203÷4703=0.255‥。つまり回答率は約1/4です。統計的な調整(RDDなど)をしたわけではないと思われるので、調査票を返送しなかった学校は「回答する気がない」「回答できる実施状況ではない」などのネガティブな「回答」をしていると読むことも可能です。最も否定的な解釈は「AL型授業の実施率は25%」と解釈することも可能だということになります。少し穏当な言い方に改めると「実施率は25%~90%」というところでしょうか。これでは「実施率はわからない」と解釈するのが妥当な気がします。

 私に依頼してくださる多くの学校の管理職の皆さんは「どこの学校も変化しているらしいのに、本校は全然なんです。お恥ずかしい限りです」などとおっしゃいます。私は「いえいえ、全国のどこの学校の管理職の皆さんもそうおっしゃいます。まだまだ、これからですよ。焦らず、着々と進めていきましょうよ」と答えます。

 数字に振り回されることなく、私は現場の声を拾い、自分の目で確かめながら分析し、現場に貢献できるように活動していきたいと思います。

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