空手部の後輩からの依頼

【授業研究】私は二十代の後半から十数年間わたって大学空手部の監督・コーチとして指導を続けていました。普通ならこの世界から脱却することはとても難しいと思います。しかし、私にとっては人生の大決断をして空手の世界に訣別してきました。そのことで恨まれている面もあります。でも、慕ってくれる人もいます。

 今回は監督時代の部員から研修会講師としての依頼を受けました。数年前に某所の研修会で「空手部時代にはお世話になりました」と挨拶されてびっくりしました。ただ、残念なことにあまり話をすることもできず、そのままになってしまいました。

 その後輩からメールが来ました。教育委員会に所属しているようです。ある教科の教員研修講師に来て欲しいとのこと。「空手のプロ・空手部の監督」というアイデンティティーの私に出会っていた後輩が、「教員・授業改善の指導者」というアイデンティティーの私に講師依頼をしてくれたということが、とてもうれしいことです。

 リンダ・グラットンの「ライフ・シフト」の中で最も重要な箇所は「マルチステージを生き抜くには〈変身資産〉を蓄えることが大事だ」と主張している部分だと思っています。〈変身資産〉とは自らのアイデンティティーを変え続けていく意欲と力と柔軟性のことです。周囲の状況と自分自身の変化に応じて、アイデンティティーを変えていくのは当たり前の時代だということです。

 ということは、昔の知り合いと会うときには、お互いに変化したアイデンティティーとして出会うということです。この時に過去の自らのアイデンティーや相手のそれや、過去の関係性を乗り越えて、新しい関係性として出会えるかどうかが重要なことになります。

 私にはそれができるかどうか。楽しみな〈再会〉になりそうです。

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