「心配していたのですが‥びっくりしました!」

【授業研究】某高校で生徒向け授業を実践した後に聞いた興味深い話です。
「あの席の生徒は自閉症なんです。こっちの席の生徒はADHDなんです。彼らはしばしば授業中に大きな声を出したり、他の生徒たちといざこざを起こしたりしているんです。こういうグループ席でやらせるとどうなるかと心配でした」と終了後にある先生が話しかけてくれました。
「ああ、そうだったんですね。言われてみれば、そんな感じもしましたね」
「その彼らが、こんなに真剣に取り組み、他の生徒たちと話し合うとは思いませんでした」
「そんなものですよ。支えたのは私ではなく周りの友達たちです。生徒たちに任せておけばいいんです。私は丁寧に安全安心の場をつくることが役割です」
 研修会でも「特別支援が必要な生徒たちにどうすればいいのかわからない」という声はよく聴きます。先生が個々に支えようとするから無理が生じているのだと思います。生徒たち同士で支えあう雰囲気ができれば、その方がうまく行きます。その生徒にどうかかわればいいかは、いつもそばにいる「友達」の方が、私たち教員よりよくわかっているのですから。