生徒の力が先生の授業力を支える

【授業研究】京都の和束中学校に伺いました。もう何回も伺っていますが、全教科で私の授業プロセスを共有して、実践的な研究を続けていらっしゃいます。昨日は国語の授業を見せていただきました。この先生は昨年3月に大学を卒業したばかりの女性で、講師の方です。初任者の方がこの全校生徒70名程度の小さな学校で1教科の責任を持つのは大変なことだと思います。その上、最初から学校で研究している方法でやれと言われているのですから、その負担は大きいだろうなあと思いました。
 授業は「短い説明→長めの演習→リフレクション」の構造です。この若い先生の説明は全てパワーポイントを使っています。これはとても上手に作ってありました。しかし、初心者ですから、声が小さい、生徒とのやりとりがテキパキ進まないなどの経験不足も良く見えます。生徒たちはついてきているかなあ〜と心配になってきました。
 ところが、演習の時間になって、席を自由に動かして生徒同士でワークを始めると、急に活性化します。生徒たちの集中力は高いし、突然、質の高い授業に切り替わった気がしました。
 これは学校全体で、全ての教科でAL型授業を実施している効果だと思います。生徒たちは先生の説明が少し下手でも、「自分たちで、協働的に学ぶこと」でそれを補っていくということです。学校全体でシステムとして取り組むということの効果をまざまざと感じました。たぶん、これに支えられて初心者の先生たちも少しずつうまくなっていくのだと思います。私は常に授業改善と組織開発は車の両輪と言い続けていますが、また1つその論拠を得た気持ちになりました。