「小林さんの話は、スウッと入ってきました」

【授業改善】沖縄某高校で研修会講師を務めました。その感想の一節です。
「小林さんの話はスウッと入ってきました。強制するわけでもなく、生徒の本当の気持ちを実感できました。とても充実した研修会になりました」
 私が伝えようとしていることが、「スウッと入る」のは何故か、と考えました。たぶん私は、私の評価や意見を加えて伝えることをしないからです。物理の授業体験の後にみなさんにはポストイットカードに「生徒役として感じたこと」を書き出してもらいます。そのあと、そのカードを共有しながら各グループで話し合ってもらいます。その中で、「ああ、生徒はこう感じるんだね」「私はこう感じたけど、こういう生徒もいるよね」‥などいう気づきがあちこちで生まれます。
 その間、私はそれらに対して解釈や評価を全く口にしません。私が評価しないから、参加した皆さんがそれぞれに評価し、解釈し、納得するのだと思います。私の役割はみなさんが、事実をとらえやすくする「しくみ」や「しかけ」をつくるだけです。
 例えば私が「生徒の感想に『教えてもらってうれしかった』とありますね。これは、グループワークをやると支援してもらえることの価値を感じるということなのです。だから、みなさんもグループワークを実施しなくてはいけないのです」なんて説明したら、きっと参加者は嫌になります。そこには私の解釈や評価、更には押しつけまで入っているからです。私自身が指導者にそういわれるととても嫌なので、そうならないように気を付けて研修会を構成してきました。その意図がきちんと伝わっていることを示す感想があったことがとてもうれしいのです。