授業改善と組織的取り組み

【授業研究】ありがたいことに研修会講師依頼が続きます。日程調節が難しくて、来年改めて検討しましょうと先送りにするケースもしばしばです。申し訳ないなあと感じています。そんな中で、依頼の内容が少し変化してきた気がします。それは「組織的な取り組み」を課題にする依頼が増えてきたことです。
   少し前までは、「きっかけづくり」でした。或いは、「必要性や意義づけを話して欲しい」というものが大半でした。「きっかけづくり」の研修会としては、私は多くの場合、私の物理の授業を先生達に「生徒役」として体験していただき、「生徒役として感じたこと」を書き出し、振り返り、そこから、自分なりの授業改善のヒントを探してもらうことにしています。これでも、効果はかなりあります。翌日から何らかの実践を始める人が必ず出てきます。そして、少しずつ輪が広がります。
    最近の依頼は、「きっかけづくり」の次の段階へのリクエストということになります。或いは、最初から、「きっかけづくり」と「組織的展開」を視野に入れて計画的に研修会を実施しようとするものです。
   私はこの考え方に大賛成です。何らかの意味で「新しい授業」にチャレンジする人たちは10年も20年も前からいたようです。しかし、大半の人たちはその実践をやめてしまいました。様々な理由がありそうですが、孤立していることに大きな原因があると私は思っています。私自身もその危険を感じていました。偶々、その時の校長が後押ししてくれたことと、仲間が増えたこと、そしてラッキーなことに外部からの評価を得ることができたことが、何とか生き延びる力になりました。
    だから、「授業改善」を始めるときに「組織的取り組み」を並列してあることはとてもうれしいのです。ぜひ、実践を始めている人たちは、できるだけ早く「組織的な取り組み」につながるように周囲の人たちや管理職に働きかけて見てください。残念ながら、全く理解してくれない管理職がいることも聞いています。その場合は、無理をしないでしばらく我慢をしてください、と言わざるを得ないのが心苦しいところです。