工業化社会の特徴

【授業改善の必要性4】大きな事件と感じることもなく工業化社会から知識基盤社会(情報化社会、ポスト工業化社会)へと移行したことがネックであることを書きました。では、その工業化社会とはどんな社会だったのかということについて簡単に触れておきます。
   「工業化」という言葉は、「農業中心の経済構造から、工業中心の経済構造へ移行し発展していること」です。「産業化」ということもあります。イギリスの産業革命以来の動きです。国によって「工業化社会」へ移行した時期はかなり異なります。
   この時代には「工業(産業)」の生産性を高めることが国家の豊かさの基盤になります。そこで、大まかなイメージとしては工場労働者を育成するために学校教育のシステムがつくられていくことになります。例えば、工場労働者の質的向上のためには「読み書きができる」ことが重要でした。そうでないと、作業方法や機械の取り扱いが正確に伝わらないとか、進捗具合や問題発生などの報告が上がらないなどの問題が生じます。そこで、学校では児童生徒に読み書きを教え込むことになります。日露戦争で日本が勝利した背景には兵士の識字力の高さがあったとも言われます。国として生き残るために、学校教育システムは重要な要素だったのです。