5月セミナーについて(2)

【授業研究】5/12(土),13(日)に行うセミナーについて解説しています。昨年末から今年初めにかけて実施したセミナーでは、まだ授業改善の波はほとんど広がっていないことが確認できたと思っています。その意味では、基礎的な事を丁寧に繰り返す「入門講座」は今後も必要だと感じています。

 その一方で「もっと深く考えるセミナーも必要だ」ということも強く感じるようになっていました。それは私が入門講座の中で以前から、少しだけ時間を割いて話していることに対する参加者からの反応によるものでした。私は2~3時間の入門講座で10~15分程度「授業改善が求められる根本的な理由」について説明することにしています。

 ここでは、歴史・経済学・社会学などの視点に立って、工業化社会から知識基盤社会への移行が授業改善が求められる根本的な理由だと説明しています。セミナー全体の中では短い時間の説明であるにもかかわらず、リフレクションカードではここに感動したというコメントが多く寄せられ続けています。

 セミナーの後で質疑応答の時間をとると、この部分についてたくさんの質問が出てくることもあります。その際に感じるのは、若い人たち産業革命や資本主義の萌芽、資本主義の構造、剰余価値説、マルクス資本論などをほとんど知らないということです。1970年の第二次安保闘争を高校3年生で迎えた私やその上の世代にとっては、マルクス主義は「高校生・大学生の常識」でした。私はその知識を土台にして、その後の社会の変動を見てきました。経済学の理論が変動し、ビジネス社会の理論も変動し、社会学が様々な問題を指摘し続けてきました。それらを受けて「キャリア発達理論」も進化し続けてきました。そして、「7つの習慣」「選択理論」「学習する組織理論」などが登場してきました。これらの動きは精神医学や心理学にも影響を与えました。

 フロイトユングアドラーなどの精神医学から始まり、ロジャーズなどのカウンセリング心理学へと発展してきて、D.E.スーパーのキャリア発達理論にも影響を与えています。そのひとつの結果が「ライフ・シフト(リンダ・グラットン)」につながるのだと感じています。このようなことを、じっくり考えながら、「授業改善の意義」「教師の在り方」「教師としての生き方と仕事の仕方」などを語ることが必要なのではないかと思い始めました。今回のセミナーは、ここをじっくりやりたいというところから、メンバー内での話し合いが始まりました。(この項続く)

◎5/12(土)13(日)にセミナーを担当します。こくちーずはこちら

 ・2018年5月12日(土) 16:00〜20:00→http://www.kokuchpro.com/event/ALK0512/

 ・2018年5月13日(日)10:00~16:00→http://www.kokuchpro.com/event/ALK0513/

◎以下はチラシです。

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