3ヶ月呻吟した目的設定=「科学者になる」

【授業研究・目的1】「AL型授業」の質的向上を図るために必要なことを考えていきます。まずは「目的」です。各教科の指導目標は学習指導要領に書いてあります。私も昔はそれ以上に何も必要ないと思っていましたが、ライティング・ワークショップという技法に出会ったときにショックを受けました。
 日本流に言えば「作文授業」です。アメリカでも作文が嫌いな生徒は多いようです。これを打破するために、「黙って書け」ではなく、「みんなで、ワイワイ、動き回って、自由に、書きたいことを、書きたいように書こう」などを取り入れた手法です。
 この授業の目的は「作家(writer)になる」です。私は、これは何と魅力的な目的なんだろうと感動しました。すでに現在の形の物理授業を始めていた私は恥ずかしくなりました。当時の私は「居眠りをなくす」しか考えていなかったからです。この目的と同様の魅力的な目的設定は何かないものかと考え始めました。
 1月冒頭にライティング・ワークショップに出会ってから考え続けました。新学期には間に合わせようと考え続けるのですが、どうにも思いつきません。4月に入り、いよいよ授業が始まるその日の朝、通勤途上の車の中で「これだ!」と閃いたのが「科学者になる」でした。実にシンプルで、なんだか大したことではないと、思われる方も多いかも知れません。でも、私にとっては3ヶ月もの間、苦しみ抜いてようやく到達した結論でした。