「天職」って何?

【雑感】先日、「天職」について考える機会がありました。「天職を決める要素は何か」「どうやったら天職に巡り会えるか」などの議論はありますが、私が気になったのは、そもそもの意味です。
  ある辞書では以下のように出てきます。「1天から授かった職業。また、その人の天性に最も合った職業。2天子が国家を統治する職務」英語では「vocation または calling」です。根底にはキリスト教に沿った、「神が決めてくれた仕事」というニュアンスがあります。
  「キャリア教育」を提唱したD.E.スーパーがそれまでの「vocational education」を「career education」に改めたのは、このような運命論的な捉え方を是正する意図もあったはずと思っています。その後に続く、トランジッション理論、クランボルツの偶発性理論も、「天職」を否定しているものと理解していました。
 たまたまなのでしょうが、その場にいた多くの人が「天職がある」ことを前提として話し合っていることに違和感がありました。久しぶりに、これらのことを考え続けるきっかけになったという点で、良い場でした。