「1時間集中してできた☆」

 「新しい授業」をどう呼べばよいのか色々迷ってきましたが、ここでは「アクティブラーニング(能動的学習)」と呼ぶことにします。物理の授業をアクティブラーニングに変えて、生徒の感想で最初にうれしかったのは「集中できた」「やる気が出る」「よくわかった」等の感想です。
 生徒たちにさらに話を聞いてみるとおもしろいことが出てきます。まず、第1段階の「15分の説明」の際に、「板書とノートがない」のが集中できるというのです。例えばこんなことを言ってくれた生徒たちがいました。
 「授業の時間って先生が板書している時間と、俺たちがノートに書いている時間がほとんどだと思うんだよね。で、先生が板書している時間ってただ待っているだけなんだよね。アタマ使ってない。ぼーっとしている感じなんだよね。で、板書が終わったら、ノーとするんだけどこれも考える時間なんかありゃしない。よく先生たちはノートを丁寧に書いて考えることが大事だなんていうけど、それは無理!
早く書かないと次の説明が始まってしまうから、もうただ写しているだけ。中身を考えている時間なんかないんだよね」
 「私は小林先生の話をずーっと聞いていられるのがとてもいいな。スライドをみながら聞いていればいいでしょ。スライドは全部プリントしてあるし、先生はあまり板書しないから、あわててノートする必要がないので、先生の話に集中していられるんです。それと説明の時間が短いのもいい。15分聞いて、練習問題やって、ってメリハリがあるから集中できるんです」
 私はこんなことが生徒たちのアタマと心に起きるとは想像していませんでした。何しろ、当初の大目的は「居眠りをなくす」でしたから。生徒たちの感想を書いてもらい、それを読み、そのことについて更に授業中や放課後に生徒たちと話をしていくと、上記のような話がたくさん聞けたのです。
 ある人が私の授業をみたときにこう言ってくれたのも印象的でした。「小林先生、短い説明というのはいいですね。しかも、15分というのは絶妙ですよ。テレビのコマーシャルも15分おきですから」