お灸の効果もなかなか

f:id:a2011:20211122081030p:plain

【日常の記録】空手をやっていたころは怪我が絶えませんでした。怪我とまで行かなくても身体の痛みや動きにくさは日常茶飯事でした。いちいち病院に行くほどでもないし、どうせ湿布と痛み止めだけなので、お灸も使っていました。最近は手がるにできる商品があるので長く使っています。いつも身近に置いています。

 この2週間ほど睡眠アプリの数値が悪くなっていました。でも、体感は悪くないので一時的なものだと軽く考えていました。先日、久しぶりに夜中に目が覚めてしまいました。疲れてはいるのに眠れない‥困ったなあと思っているうちに、お灸を思い出しました。ネットで「眠れないときに効くツボ」を調べてみるとすぐに見つかります。今は動画でツボの見つけ方が解説してあります。「アタマを使うことが多いが身体を動かさないから眠れない時のツボ」とまさにピッタリのツボがありました。ついでに関連するツボをいくつか見つけてお灸をやってみました。視聴途中の映画を観ながら施術。30分もせずに終了。

 再び眠るとそのまま朝までぐっすり眠りました。即効性にビックリ。でも睡眠アプリの数値はイマイチ。そこで就寝前に継続。3日ほど継続すると数値も改善。なかなかの効果です。最近、毎日のように締切が並んでいて、考える・書く、が多いこと、動画編集が多いことなどが眼やアタマに負担をかけているのかもしれません。しばらくお灸を続けてみようと思います。興味のある方はお試しください。

私の文章の特徴

f:id:a2011:20211121131341p:plain

【授業研究】文章力トレーニングの記事に関して再びコメントをいただきました。それについて感じたことを整理しておきます。まずはそのコメントです。

> 後半もありがとうございます。
> 漠然と文章力を上げる!というよりも、
> どんな文を書きたいのかというイメージも
> 大事なのだろうなと感じました。
> 私は長くて要点が掴みづらい文を書いてしまうので、
> 章立てして述べる練習として、
> 小林さんの連載を書写してみたくなりました。

 まさか私の文章を手本にしようという人が出るとは思いませんでした。もしかして、そんなことを考えている人が他にいた時のために、書いておきます。

 上記のコメントにもあるように「どんな文章を書きたいか」を明確にしてください。その上で、以下のように考えている人にならお役に立てると思います。私の文章の特徴を提示しながら、どこが役に立つかを整理しておきます。

(1)授業改善をテーマにしていること。
  現場で起きていることや私が体験してきたことを書いていますから、
  同じように「授業改善」を考える人には役立つと思います。
  特に「授業実践者」には役に立つと思います。 

(2)具体的な事実を必ず取り挙げていること。
  私は毎回、授業改善に関する「具体的な事実」を提示しています。
  その事実の取り上げ方や記述の仕方は参考になると思います。
  事実と解釈の区別も意識しています。これは真似して欲しいところです。

(3)読者は「1回しか読まない」ことを前提にしていること。
  読者はそれほど時間がない人を想定しています。
  「連載」ですがその回だけしか読まない人を前提に書いています。
  そこで言葉の定義などは毎回簡単にでも触れるようにしています。

(4)読者が「あれ?なんのことだ?」と前に戻らなくても
 読めるように意識していること。
   (3)ともつながりますが、忙しい人が読むときに、
   意味がとりにくい文章にならないように気を付けています。

(5)原稿用紙約10枚分(正確には4,500字程度)であること。
  この字数は「短いレポート」として手ごろです。
  少し長めの「まとめ」は約30枚(12,000字)をめやすにします。

(6)いわゆる「小論文」の形式を守っているのは冒頭です。
  最初の「囲み」が「要約(サマリー)」、
  最初の「小見出し」の前が「目次」。
  この程度だと3~4個が一般的です。

(7)あまりお勧めできない私の「遊び」もあります。
  時々、体言止めを多用しています。
  これは字数調整のためと、リズムをよくするためですが、
  報告書や論文など「正式な文章」では不可です。
  また、時々「私は‥」と個人的な意見を書いています。
  もう2年も続いている連載なので許容されますが、
  一般的にはこの表現はお勧めできません。

(8)文学的な表現は避けています。
  小説や詩歌のような言いましはほとんどしません。
  読者はそんなものは求めていないと思っているからです。

 ざっとこんなところです。ご参考に。

 

物理解説動画作成

f:id:a2011:20211120072447p:plain

【授業研究】もう半年以上開発に協力している「新しいオンラインツール」があります。もちろんハード面は開発会社が行い、私は「使い方」を研究します。「使い方」を研究すると「ツールの使い勝手」がわかります。あれこれと注文を付けながら修正をしてもらっています。楽しい仕事の1つです。

 その一環として実験をすることになりました。それは「講義動画」を同時にたくさんの人にオンラインで見てもらいながら、「新しいオンラインツール」を使いながら「わかった」「わからない」「質問」などのマークやコメントを入れてもらおうというものです。これに成功すると授業中に短時間説明を動画で行い、生徒たちにそれを見てもらった上で、質問に回答するという授業が実現します。

 やることは決まってログインの方法などは整っているのですが、最後の難関が「講義動画」です。「誰が作るの?」となると今のところチームの中には「pptや動画を使って授業をしていた」のは私しかいません。当然のように私がやることになりました。約10分間の「高校物理」の説明動画をつくろうと思います。

 テーマは「ドップラー効果とビッグバン理論」。そのために今日1日を空けています。さてさて、どんなものができるやら。楽しみです。

アクシデントの中のラッキー

f:id:a2011:20211118234300p:plain

【日常の記録】どうやら私はアクシデントに遭遇する機会は多いのですが、結構ラッキーなことが起きて乗り越えることも多いようです。最近では、10/7(木)夜の首都圏での地震の翌日は茨城県水戸市への出張でした。首都圏の電車に翌日も混乱が残り、一時は水戸に行けないのではないかとハラハラしましたが、ギリギリのタイミングで遅れていた特急に飛び乗り、難を免れました。(10/8の記事です)

 一昨日(11/17)は神奈川県の学校に訪問。来年の研修に備えて学校全体の授業を見学し、以前からお付き合いのある先生の授業を撮影しながら見せてもらいました。行きに駅のホームで「人身事故のための遅れアリ」の案内。嫌な感じでしたが、これはさほどの混乱もなく目的地に到達しました。

 夜帰るときにも朝の混乱は残っているようでしたが、ほぼ定刻で動いているようでした。ところが乗ったとたんに車内放送。「人身事故発生のために次の駅で運航を停止します」。「え?朝の混乱は終わってなかったの?」。‥よく聞くと、たった今、新たな人身事故が発生したようです。で、次の駅で降ろされてしまいました。乗客は大半が降りたのですが、一部の人たちは運転再開まで待つつもりらしくまだ着席しています。私はどうするか決定できず、ホームで情報収集。何と私が乗車した2分後に、その電車の数駅先で人身事故が起きていました。もう1つ早い電車に乗っていたら、大変なことに遭遇していた可能性があります。

 「困った‥」と思いながらホームで飲み物でも買おうしてた時にアナウンス。「失礼しました。〇番線の電車は次の▢▢駅まで運航します。その先は運航停止しますが、▢▢駅からは、△△線等々に乗り換えることができます」。これはラッキー。急いで車内に戻ります。次の駅で止まっている路線とは別路線に乗り換えて帰ることができました。終わってみればロスタイムは5分程度。アンラッキーの中のラッキーがまた繰り返されました。

懐かしい訓練方法(4)

f:id:a2011:20211118072803p:plain

【授業研究】11/16の記事にいただいた質問の後半への回答です。

> トレーニングの中で小林さんに起きた、
>「一度に覚えて書ける量だんだんと増えていった」
> 「次を予測できるようになった」という変化は、
> それを意識したことで起こったことですか?
> また、1日30分で取り組む場合、
> 扱う題材を1冊の本のような長いものにした場合と、
> 新聞のコラムのような短い文にした場合とで、
> 効果に違いは生じそうですか?

 後半の以下の部分について回答します。
> また、1日30分で取り組む場合、
> 扱う題材を1冊の本のような長いものにした場合と、
> 新聞のコラムのような短い文にした場合とで、
> 効果に違いは生じそうですか?

 2つの体験を基に考えてみます。1つは私が弁証法の本を一冊書き写し、要約した体験です。2つは私が大学生のころに下宿の大家さんの息子を小学校6年生から中3まで家庭教師をしていた時のことです。かなり成績が悪くて5段階の3がほとんど。国語は2という状態でした。この子の国語を何とかしなくてはというところから始まりました。

 思いついてやらせたのは、朝日新聞の「天声人語」を教材にすること。「1週間に1~2個切り貼りして読んでね。わからない漢字や言葉は調べてね。それを基に勉強しよう」程度の指示をしました。
 そもそもほとんど本を読んだことのない子どもなのでわからない漢字・言葉がたくさんでした。更に社会常識も不足しています。家庭教師の際には国語的な話だけではなく、社会常識についても教えていました。それが楽しかったようで、「本を読む」ことが始まりました。中学になってからは「時々、要約してみよう」としました。
 この練習のおかげで彼の国語の成績はおおむね4になり、中2か中3のころには時々5だった記憶があります。高校はトップクラスの進学校に入り、国立大学に進み、市役所職員になりました。

 ここから質問を考察します。家庭教師でやったのは以下のことでした。
> 1日30分程度で取り組む。
> 題材は 新聞のコラムのような短い文。
 この方法は、「文章をあまり読んだことのない生徒」「一般常識も理解させたい生徒」「集中力・持続力が低い生徒」には役立つと言えそうです。しかし、「新聞のコラム」的な文章はさほど論理的ではなく、随筆・随想的な部分が多々あります。
 論理的にきちんと読む、論理的な文章を書けるようにするのは不向きな気がします。この部分を鍛えるには「社説」の方が良い気がします。

 一方、「小説を書く力をつける」のなら「好きな作家の作品を何冊も書き写す」ことです。私はあまり詳しくありませんが山崎豊子井上靖に訓練を受けたことがあるように、日本の作家たちには弟子と師匠、仲間の関係が多々あります。手塚治虫をトップとする漫画家たちも同様ですね。

 私のように「弁証法という思考方法」を身に付けるためには「様々な人の文章」では無理だと思います。また、硬い文章、論理的な文章を書けるようにするにも、1人か少数の人を手本にすることが良いと思います。そして「本」ですね。

 ついでに言えば、小説でも論理的な文章にしても「書き写す」だけでなく、「書く練習」も不可欠です。その第一歩は私がやらされたように「要約」です。次は「発表原稿」を書くことです。私の大恩師はしばしば「原稿用紙、千枚の発表原稿を書けたら1人前」と言っていました。

 私の発表原稿は以下です。40歳のころに新聞連載各回約800字。これを月2回×2年間(48回)連載して約100枚。それに続いて月刊誌連載。各回約2000字(=5枚)。月1回×2年間(24回)=120枚[ここまで220枚]。高校教諭在籍中に薄い単行本(初めての単著)1冊を上梓、これが約100枚[ここまで320枚]。その後、授業改善に関する本のうち、全部自分で書いたのは6冊。各200枚で計算すると、200×6=1200枚。[ここまでで約1500枚]。つまりようやく大恩師が言う、「千枚の発表原稿」の壁を越えました。

 この2年間は「月刊高校教育(学事出版)」の連載が各回約11枚。そろそろ2年間(24回)なので、11×24回=約250枚[ここまでの合計約1700枚]。これから何冊か出す予定の単行本で二回り目の千枚を乗り越えて、三千枚に到達できたらいいなあ‥というところです。

 先生たちにお勧めしたいのは、「生徒たちの読む力・書く力を育成する」ためには、まずは自分自身のそれらの力を高めることです。昔は大学卒業時に100枚程度の「卒論」を書くのが一般的でした。今はその関門をくぐっていない人が大半のようです。今からでも遅くないので、ぜひぜひ書いてみて欲しいものです。(私が初めて雑誌に投稿した原稿が掲載されたのは38歳ころのことです)[この項終わり]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

懐かしい訓練方法(2)

f:id:a2011:20211116051928p:plain

【授業研究】「ムショぼけ(小学館文庫)」の著者で元ヤクザの沖田臥龍竜氏は、刑務所で読んだ小説に感動して作家になろうと志しました。そのことを報道した新聞記事の一部が以下です。

 書き方を覚えるため、小説を書き写した。1日13時間、鉛筆を握っていた時期もある。所持できる冊数が限られるノートを無駄遣いしないよう、アリのような大きさの文字で1行の枠に3行分の字を書いた。(引用元:毎日新聞 2021/11/7 オンライン版)

 この練習方法は私も経験したもの。方法は単純です。少し時間がかかるだけです。その経過を書いておきます。

 大恩師に出された「宿題」を始めた私は最初はこんなことで頭がよくなるわけがないと感じていました。というのはほとんど一字一字を見ては書いている状態だったからです。小学生の漢字の練習みたいなものです。振り返りるとこの最初の1週間くらいがもっともつまらなくて、苦痛を感じていた時期でした。

 1週間ほど過ぎた時に少し文章をまとめて覚えて書けるようになりました。最初より早く書き写せるようになりました。これだけでも少し楽しくなりました。このあたりからたぶん1日に10時間くらい書けるようになっていました。朝起きたらすぐに書き始めて、目と手が疲れてきたら散歩にでて、戻ってきたらまた書き始めるようになってきました。身体が慣れてきたという感じです。

 そのころ指がぬるっと滑りました。あれ?と思いながらも書き続けていたら原稿用紙が真っ赤。中指のベンダコがつぶれていました。初めての経験でした。いやな気持はしませんでした。こんなに練習したのだと少しいい気分でした。

 1ヶ月たつか立たない頃に頭の変化に気が付きました。だんだん長い文章を憶えて書けるようになっていました。2~3行をまとめて書くこともできるようになってきました。そのうち、次の段落に移るところで「具体的には‥」と書きたくなりました。ぐっと我慢してテキストを読むと、「具体的には‥」と書いてあります。これはとてもうれしいものでした。著者に少し近づいた気がしました。こうして全部を書き写すのには冬までかかりました。丁度終わったころに、ゼミ合宿がありました。

 前回の沈黙とは異なりほとんどのテーマについて意見を出せました。議論に参加して、高く評価される場面もしばしばでした。休憩時間などに「小林、別人みたいだな。何があったんだ?」「この前は猫かぶっていたのか?」などと何度も声をかけられました。

 最終日に大恩師が全体に向けてお話されました。「小林の変貌にみんなが驚く合宿になったが、小林がやったことは私がみんなに何度も話したことがある勉強法だ。みんな知っているはず。でも、本気でやった人はいない。やれぱこうなるということ」という趣旨でした。

 多くの人が知っている学習方法。でも、ほとんどの人がやらないというのは今でも同じことなのかもしれません。でも、本当に力が付きます。多くの皆さんにお勧めしたい勉強法です。[この項終わり]

懐かしい訓練方法(2)

f:id:a2011:20211116051928p:plain

【授業研究】 【授業研究】「ムショぼけ(小学館文庫)」の著者で元ヤクザの沖田臥龍竜氏は、刑務所で読んだ小説に感動して作家になろうと志しました。そのことを報道した新聞記事の一部が以下です。

 書き方を覚えるため、小説を書き写した。1日13時間、鉛筆を握っていた時期もある。所持できる冊数が限られるノートを無駄遣いしないよう、アリのような大きさの文字で1行の枠に3行分の字を書いた。(引用元:毎日新聞 2021/11/7 オンライン版)  

 この練習方法は私も経験したもの。方法は単純です。少し時間がかかるだけです。その経過を書いておきます。  大恩師に出された「宿題」を始めた私は最初はこんなことで頭がよくなるわけがないと感じていました。というのはほとんど一字一字を見ては書いている状態だったからです。小学生の漢字の練習みたいなものです。振り返りるとこの最初の1週間くらいがもっともつまらなくて、苦痛を感じていた時期でした。  

 1週間ほど過ぎた時に少し文章をまとめて覚えて書けるようになりました。最初より早く書き写せるようになりました。これだけでも少し楽しくなりました。このあたりからたぶん1日に10時間くらい書けるようになっていました。朝起きたらすぐに書き始めて、目と手が疲れてきたら散歩にでて、戻ってきたらまた書き始めるようになってきました。身体が慣れてきたという感じです。  そのころ指がぬるっと滑りました。あれ?と思いながらも書き続けていたら原稿用紙が真っ赤。中指のベンダコがつぶれていました。初めての経験でした。いやな気持はしませんでした。こんなに練習したのだと少しいい気分でした。  

 1ヶ月たつか立たない頃に頭の変化に気が付きました。だんだん長い文章を憶えて書けるようになっていました。2~3行をまとめて書くこともできるようになってきました。そのうち、次の段落に移るところで「具体的には‥」と書きたくなりました。ぐっと我慢してテキストを読むと、「具体的には‥」と書いてあります。これはとてもうれしいものでした。著者に少し近づいた気がしました。こうして全部を書き写すのには冬までかかりました。

 丁度終わったころに、ゼミ合宿がありました。 前回の沈黙とは異なりほとんどのテーマについて意見を出せました。議論に参加して、高く評価される場面もしばしばでした。休憩時間などに「小林、別人みたいだな。何があったんだ?」「この前は猫かぶっていたのか?」などと何度も声をかけられました。  最終日に大恩師が全体に向けてお話されました。「小林の変貌にみんなが驚く合宿になったが、小林がやったことは私がみんなに何度も話したことがある勉強法だ。みんな知っているはず。でも、本気でやった人はいない。やれぱこうなるということ」という趣旨でした。  多くの人が知っている学習方法。でも、ほとんどの人がやらないというのは今でも同じことなのかもしれません。でも、本当に力が付きます。多くの皆さんにお勧めしたい勉強法です。[この項終わり]