自分なりの「基本スキル・基本パターン」

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【授業研究】GCS(グループ・コンサルティング・サービス)の9月全体会の中で取り上げた解説をここに記録しておきます。事前視聴用動画に対して以下のコメントが寄せられました。

> 授業が上手い人と下手な人との違いは、
> 小林さんが挙げている「基本スキル」の違いだと感じる。
> 「自分なり」に「基本スキル」を持っている人が
>  授業が上手いなと感じる。

 その通りです。教えてもらわなくても「毎日授業をやり続ける」経験を積み重ねると私たちは「それなりに」技を身に付けるということです。しかし、「それなりに」「いつの間にか」身に付けた技には様々な問題を有していることがあります。プロの技としては「きちんと鍛えた授業者の技・スキル」を身に付けたいものです。これについて少し解説しておきます。

もっと身近な例としては以下のような「技」があります。
「話し方」「箸の使い方」「歩き方」「自転車の乗り方」「字の書き方」「掃除の仕方」「キーボードの使い方」「包丁の持ち方」‥

 どれも、人に教えてもらわなくても生活の必要に迫られて何となくやっているうちに、「それなりに」できるようになってきます。その初めは試行錯誤しながら指先・足先・姿勢の保ち方などを意識しながらやっていたのにいつのまにか「無意識的にできるようになった来たこと」を「技(スキル)」と言います。授業者のスキルも同じことです。

 しかし、「話し方」等は、「きちんと訓練を受けた人と、そうではない人」では大きな差があることも私たちは知っています。例えば「アナウンサーの話し方」と「普通の人の話し方」の違いです。「書道やペン字の訓練を受けた人」と「そうではない人の字の書き方」の違いです。きちんと訓練を受けた人の方が「聞き取りやすい話し方」「読みやすい字の書き方」を身に付けています。このようにきちんと指導を受けていない技のことを「経験主義的に身に付けた技」ということもできます。

 「新しい授業」が求められる現在、「経験主義的に身に付けた授業者スキル」ではその実現は難しくなってきたということができます。どうせ身に付けるのなら「何となく身に付けた技」ではなく「きちんと練習をした技」にしたいものです。

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