抽象化する力

 【授業研究】自分の特性の1つは「抽象的な概念を〈具体的に説明する力〉」が強いことであるとは理解しています。これは高校生のころから感じていて、大学生や教員になってからますます磨かれたと感じています。

 一方で抽象的に考えることも「物理学の学習」や「哲学・弁証法の学習」で鍛えてきたつもりなのですが、今、そこに行き詰まっています。ある新しいプロジェクトの計画書を作成しているのですが、具体的にはいくらでも書けます。しかし、全体として「何をやりたいのか」が書けません。

 そんな中で久しぶりに「学習する組織(ピーター・ゼンゲ著/英治出版)」を読むとそれに関することが書いてありました。〈まえがき=改訂版によせて(p-21)〉です。センゲがデミングに原稿を送り、その返事の封を開けるとでデミングが書いた短い書評が入っていた‥の続きです。

[引用開始]最初の一文を読んで息をのんだ。どうしてそんなことができるのかー私が四苦八苦しながら400ページを費やして書いたことが一文でで言い尽くされていたのだ。これはすごいと私は思った。晩年になると人は、これほど明晰かつ直截になれるのか(デミング博士は当時90歳になろうとしていた)。[引用終了]

 そしこのあとのデミングの言葉こそが、私がこの本を「学校教育に関する理論書」と理解する端緒になったのです。10年ほど前に読んで感動したことを熱く思い出しました。併せて、400ページを一文にまとめる力が欲しいと強く感じさせられます。90歳まではあと20年余あります。それまで鍛えてそんな力をつけたいものです。そのためにも今の「目の前の課題」をせめて「A4,1枚」にまとめなくては‥。

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