「久しぶりに授業中に寝ませんでした」

【授業研究】冒頭のコメントは大学の授業「ロジカルシンキング実践」第2回のリフレクションカードの中のものです。

 本格的に本論に入ったこの授業では「メタ認知」を理論的に紹介し、実際にトレーニングする内容でした。5分程度考え続ける‥グループで話し合う‥また考え続ける‥などの繰り返しです。普通ならすぐに寝てしまう形式ですが、色々な工夫を織り込んでいますし、こちらの腕も上がっているので43名の学生は100分間に1人も寝ることはありませんでした。

 リフレクションカードには「大変だったけど面白かった」などの感想が続出。テキストの講義は短時間で済ませて授業外学習の課題として提出させますが、これも昨年度と少しやり方を変えたこともあり、学生がきちんと取り組んでいることがわかります。私の準備も楽になりました。私の手間が省けて、学生が喜んで前向きになり、居眠りがなくなり、学習効果が上がるのが授業改善の目指すところです。

 最近の私は「授業改善はスキルトレーニングであるべき」との考えをとても強く感じています。その観点に立つと毎日の授業は私自身のトレーニングという意識が前よりも強くなってきています。学生の学びの質が上がるように意識するのは当然のことですが、同時に自分自身の「話す時間」「話し方」を意識し、個々の学生の活動を観察し、各グループの様子を把握し、更に私も含めた教室全体の在り方をメタ認知していく‥。

 これがだいぶ楽にできるようになってきました。空手流に言えば「技が身に付いてきた」「自由に闘えるようになってきた」と言えそうです。高校物理の授業でこの感覚に達するまでには約3年かかりました。高校物理の時には毎日65分授業を3~4コマ程度行います。大学ではそれに比べると練習回数が圧倒的に少ないことや、内容や方法に途中で色々迷ったことも影響して5年かかったことになります。 

 空手に比べれば体力はほとんど必要としないので、授業改善はこの年(私は現在67歳)になっても充分にできるということです。来年1月までの大学授業がますます楽しみになってきました。

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