相手が動くときは止まれ

【授業研究】元・空手家としての闘い方のコツのひとつを思い出しました。試合(組手)の時に相手が激しく動いて牽制をかけてくる場合があります。普通、相手が激しく前後左右に動くと、こちらもつられます。それに対応してつい動いてしまいます。自分では相手を揺さぶるつもりで動いています。しかし、実は相手に動かされています。相手の得意な動きのパターンに巻き込まれてしまい、結局、隙が出て、負けてしまいます。
 そこで、ある程度強くなってきた人たちは、相手が動くときは止まります。突っ込んでくると見せかける牽制にも動きません。下がって見せても前に出ません。この動きは相手が攻撃してきたときに捌いたり受けたりする防御技にかなり自信がないとできません。さらには間合いを正確にとらえる技術も不可欠です。体力と集中力も必要です。
 しばらくこの状態を続けていると激しく動き回っているように見えた相手の動きが、いくつかのパターンから成り立っていることが分かります。特定のパターンに入る前の癖も見えてきます。相手が動いてくれるほど、たくさんの情報をこちらに提供してくれるからです。一方、こちらはほとんど動きませんから、相手にしてみると私の情報は不足したままになります。観客からは、相手が激しく追い詰めてくるので優位に闘っているように見えます。しかし、内実は動かない私のほうが着々と相手を追い詰めています。‥‥
 なぜこんなことを思い出したかというと、最近の授業改善の変化が激しいと感じているからです。文科省の動きも相変わらず激しいですが、教育委員会や学校の動きも激しい感じです。現場の動きも、なんとなく、去年の動きと違う気がします。今年10回目となった本学のフォーラムも変化を感じます。書籍の売れ方にも変化があるような気がします。「うん?」という違和感が私にはあります。「振り回されるな!」と警鐘が鳴ります。
 少し自分の活動を調整していこうと思います。皆さんが、感じている違和感(異和感)があったら、教えてください。