「学習についての表象(学習観)が重要」

【授業研究】ある研究会で尊敬するA先生のミニ講義を聞きました。そこで印象に残ったことです。基本は人間は心的表象(mental representation)を持っていて、それをもとに外の世界を理解する、ということです。例えば、「研究室」に被験者を入れて何があったかを尋ねると、(場違いな)ガイコツのことは誰も覚えていないが、(当然あると思われる)本はなかったにも関わらず大半が「あった」と答えるという具合です。
 それをもとに以下のように言えるというわけです。「学習についての表象(学習観)が意欲や態度にも大きく左右される」。A先生はこう補足しました。「授業中困っている生徒を見たときに〈教えればわかる〉という学習観を持っている先生は教えに行きますが、小林さんのように〈生徒たち同士で支えあえば理解できる〉という学習観を持っている先生は助けに行かない、というようなものです」。
 わかりやすい話でした。しかし、深刻な話でもあります。つまり、「新しい授業」が深く浸透するかどうかは、先生たちの「学習観」が変化するかどうかにあるということです。そこをどう測定するのかが研修会の在り方を考えるときには重要だよね…という話は終わってからの懇親会でA先生と大いに語り合ったところでした。