優秀な人たちが授業から離れていく構造

【雑感】「小林さんの実践を見ているとまた授業に挑戦したいよ。でも校長だと退職まで授業持てないんだよなあ」「アクティブラーニング型授業の効果と課題を実感しました。でも、4月から教育委員会です」今週の印象的なコメントです。
  前者は現在、校長職の方です。後者は将来の校長です。優秀な人たちは40歳程度で授業から離れて、教頭(副校長)や指導主事(教育委員会や教育センター)になります。その後、退職まで授業を担当しないのが普通です。私が現在の授業の形を実現したのは55歳でした。もし、私が管理職になっていたら、この授業改善は実現できませんでした。
  次のような問題もあります。一部の地域では校長に「教員の授業観察」を義務付け、「新学習指導要領の観点に沿った観察や指導助言」を指示しています。しかし、すでに10〜20年も前に授業から離れた管理職にとってはこれはとても難しいことだと思います。
  ビジネス界の組織のピラミッド構造に対して、上に出ているのは校長と教頭だけとてう「鍋蓋型」の教員組織では、有能な人たちが満足できる道は管理職しかありません。授業の腕が良い、授業の指導ができる、などという点が評価されて管理職並みの待遇が実現できると、授業改善に力を注ぐ人たちがもっと増えるのでしょうけどね。残念なことです。