「毒の味は蜜の味?」〜「担任(教師)オールマイティー論」が体罰を助長する

【「教育相談」転身のススメ8】体罰が横行する学校に勤務していて、心優しい初任者が体罰教師になって行く姿を見てきました。「担任(教師)オールマイティー論」「技術軽視」が暴力的指導・体罰を生んでいます。
 ほとんどの初任者は生徒指導の「技術」は持っていません。従って、騒ぐ生徒や、服装・頭髪違反の生徒をコントロール出来ません。すると「怖面(こわもて)の生徒指導得意」の教師が圧迫します。「甘い顔しているからなめられるんだよ」「一発、ガツンと言わなきゃダメだよ」「ビンタくらいやんなきゃ言うこと聞かねぇんだよ。あいつらは」…。「担任(教師)オールマイティー論」が「出来て当たり前」の風潮をつくり、「技術軽視」には「手ほどき・トレーニング」などありえないのです。まさに「精神論のみ」です。
 その結果、初任の先生はどこかで壊れます。先生が爆発して、「怒鳴る」「机を叩く」「壁を叩く」「生徒にビンタ」などの暴力的行為に発展してしまいます。すると……。
 生徒たちはピタリと言うことを聞きます。これは「快感」です。「なんだこうすればいいんだ」と「学びます」。生徒たちは失望し、距離を置き、「面従腹背」を学び、「顔色を伺いながら」生活するようになります。私にはこれがあらまほしき姿とは思えません。
 でも、初任の先生たちは「これが効果的なんだ」「この手があったんだ」と自信を持ちます。そして継続・発展?して行きます。「毒の味は蜜の味」なのです。