相談にきた生徒たちとのセッション

 相談係だった私はカウンセリングに替えて、アクションラーニングを利用してうまくいったこともありました。

 あるとき私のところに仲良し3人組の女子が相談に来ました。「(何か月か前に校内で朗読劇をしてくれた)女優のAさんがそのとき「一緒に朗読劇をつくろうと言ってくれたんだけど、忙しくてだめらしいんです。どうしよう?」とBさんが悩んでいる、というものでした。
 普通なら、一対一のカウンセリングをするところですが、せっかく友達で来てくれたので「みんなで一緒に考えようか」とアクションラーニングを提案しました。ちよっと人数が足りないので、実習助手の方に加わってもらいました。アクションラーニングではこのような存在をピザマンと呼びます。私はコーチです。セッションを運営はしますが、内容について意見を言ったり、アドバイスはしません。
 問題の本質を探る質問では「何をしてほしかったの?」「自分では何をしたいの?
」「どんな協力をしたらいいの?」などが出ました。
 Bさんの再定義は「人に頼りすぎた。自分でやりたいことがはっきりしていないのが問題だ」となりました。そして行動計画は「①朗読コンテストについての情報を集める。②いいのがあったら出場する。③放送部の顧問の先生の所に相談に行こう」というものでした。セッションが終わるとすぐに彼女たちは職員室に押しかけていきました。
 カウンセリングと違ってグループで問題解決ができること、短時間で行動計画ができること、自主的な行動への展開が素早いこと‥などにアクションラーニングの効果を改めて実感したセッションでした。