え?また?

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【授業研究】新しい動きに誘われてオンラインの会合に出かけました。そこで「え?あの小林さんですか?」と驚く人が。高校の先生が話してくれたことは‥

「私、小林さんの本を読んで授業を変えたんです」
「特にあのDVDの動画、最高でした。あれを見て、やろうと思ったんです」

 最近、「本読みました」と声かけてもらうことが続きます。去年の3月まで大学に在籍していた時までは、こんなことはほとんどなくなっていました。コロナ禍になったからか、オンラインが増えたからか、会う人の層が新しくなったからなのか‥原因はよくわからないのですが、うれしいことです。

 別のグループでは私の本の読書会が2つ動いています。その両者が合流する形でオンライン研修会をやることになっています。その準備をぼちぼち始めます。こんな動きもこの数年間なかったことです。

 実は何年か前にこんなことを考えたことがありました。いわゆる「アクティブラーニング・ブーム」の時にはあちこちでお祭りのようなイベントがたくさん開催されました。多くの人たちがそれに参加しました。私もあちこちに呼んでもらい登壇しました。全国のあちこちで登壇しているのに、そのあちこちで同じ人に出会うことが続きました。この現象に違和感がありました。やがてそれらの動きは沈静化してきた気がします。

 私はこれを第1波だと理解しました。それは「時代に動きに感度の良い人たちが動いた」ということです。この人たちは〈授業改善〉に興味があったのでなく、「今、注目されていることに敏感な人たち」だったのだろうと思います。今、その敏感な人たちは「探究」や「SDG's」などに動いている気がします。そんな中で新学習指導要領の動きに刺激を受けて〈授業改善〉に動き始めた人たちがいます。これが第2波です。

 この第2波の人たちは〈感度が良すぎる〉人たちではなく、文科の方針に沿って、或いは毎日の授業に真剣に向かい合いながら、本来の課題に目覚めつつある人たちだと思います。そしてこの人たちこそ、多数派になる可能性が高く、着実な動きに変化していく人たちなのではないかと思っています。

 その人たちが私の本をきちんと読んで、授業改善に進み始めているのなら、それはとてもうれしいことです。私が書いたことをきちんと読んで理解し実践に移してくれている気がします。大学から離れて2年目が始まろうとする今、色々な意味で新しい波を感じます。そういう人たちに会うことで力をもらいます。 

※昨年秋から継続しているオンライン連続講座の案内は以下です。
◎「みんなのオンライン職員室」はこちら→ https://minnano.online/
◎「Find!アクティブラーナー社」はこちら→https://find-activelearning.com/
◎「アクティブラーニング入門3(小林昭文著/産業能率大学出版部)」は
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変化する「定年退職観」

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【授業研究】何年間か授業改善で協力していただいてきたある公立高校の校長先生とZoomで今年度の振り返りをしました。「もうすぐ定年退職です」と言われてびっくり。私はもう1年あると勘違いしていました。「退職後はどうなさるのですか?」と尋ねると「フルタイムで授業を持ちます」とのこと。管理職の退職後も大きく変わったことを感じました。

 私が大学空手部で大変お世話になった大先輩は公立高校長でした。私より22~3歳年長、ご存命なら現在90歳くらいになる年代です。この方は当然、60歳で定年退職。完全に仕事を離れて悠々自適の生活に。が、3年ほどたったころに突然亡くなりました。その時、周囲から言われたのが「退職校長が退職してから5年以内に亡くなることが多いんだよ」でした。それほどの激務だったということなのでしょう。

 調べてみると当時の日本人男性の平均寿命は74~75歳ですから、63歳前後で亡くなったのはとても早かったことがわかります。それから20年ほどのちの2013年に私は定年退職しました。その少し前から「再任用」が始まりました。私と同年の人たちの大半は再任用を希望しました。「希望しません」と宣言した私に校長が目を白黒させたのですから、よほど珍しかったのでしょう。しかし、当時の再任用の皆さんはフルタイムの人は少数派でした。年金との兼ね合いがあったようです。このころ退職校長の中にも少しずつ再任用で授業を担当する人か出てきました。

 冒頭の校長先生によれば、現在では元・校長がフルタイムで授業を担当するのは当たり前になってきたし、「退職後5年間の壁」も昔話ですね、とのこと。2030年には公務員の定年も65歳になります。一般企業では70歳定年の話も出ています。定年制そのものがなくなるという話もあります。元々、定年制は人口増加社会のために作られたシステムですから、これは当然の流れです。

 とはいうものの、「時代の変化」と「私の感覚」とのギャップを改めて強く感じました。現在68歳の私は再任用の年齢も「新定年」の年齢も超えています。それでも気持ちは現役のころとあまり変わることもなく、新しいことに関わっています。

 自ら挑戦しているというより、その機会をあちこちからいただいていることによります。新しいツール等を紹介してもらい使い方を考えています。現場の先生たちから色々な問題を突き付けられます。それらの解決策を一緒に考えるのも楽しいことです。幸せなことです。 

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4月以降のチャレンジ拡大!

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【授業研究】「組織的授業改善」と「働き方改革=組織開発」は同時に進めなければならないと10年以上前から主張し続けている私です。まずはそのことを「個人的には実証してきた」つもりです。

 4月以降に色々な新しいことを始めますが、その1つが「組織状態を分析するツール」です。これはいわば「診断技術(ツール)」ですから、これだけではだめです。セットで「治療技術」つまり改善の手立てを提示する必要があります。とはいえ、それほどたくさんの試行はできないと開発会社からは来ていました。

 昨日、「試行回数はかなり増加できる」というメールが届きました。これはうれしいことです。その直後に、ある学校とのオンライン会議が予定されていたので、そのお誘いをしました。快諾を得ました。この学校では別の新しいツールを用いた授業研究にも前向きです。中心の科では「教材共有化」にもチャレンジするとのこと。これらによって「授業の質的向上」「授業研究の負担軽減」などを進めることで「働き方改革の実現」かできそうです。それをデータで実証したいものです。

 

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学年主任の思い出

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【授業研究】Aさんから「話したい」と呼び掛けられてZoomを設定しました。困っているのは同僚のSさん。4月からAさんは校内人事異動でSさんが学年主任を務める学年に入ることになりました。以前からAさんとSさんはよく話し合う関係なのですが、同じ学年段に入ることになって話していると、Sさんの悩みが深そうだから聞いてほしいということでした。

 聞けば学年主任として色々と模索しているようでした。迷走している面もありそうでした。私も何回か学年主任をやりましたが、学校は「鍋蓋式」組織と言われている中で学年主任はなかなか難しいポジションだと思います。「偉そうに」すれば嫌われるし、「担任と同じように」すれば煙たがられるし、「何もしないでいれば」無視されます。

 教諭同士という「対等な人間関係」の中で、学年としての「共有ビジョン」を示し、それを実現するために「担任とは異なる仕事」を担当しながら「協働する」という「複雑で面倒な活動」をしなくてはなりません。

 私は学年主任を経験する前に「生徒指導部主任」と「教育相談係」の2つのポジションで学校全体を動かす仕事をしていました。生徒指導部主任は全校集会では校長の次に話をするし、退学処分などの決定には大きな発言権を持っています。その意味ではいささか「対等」とは言いにくい権限・権威を漂わせています。

 一方、相談係は生徒指導部の中の係のひとつです。何の権威・権限もありません。しかし、全ての生徒・保護者から相談を受け生命に係わる介入もするし、人生や家族を左右する相談を受けることもあります。職員全員に対して「危機」を宣言し自殺予防に対する指揮を執ることもあります。

 それらを経て学年主任をすることになったときの私の理解は、「学年主任」は生徒指導主任と相談係の中間的な仕事だととらえました。そしてカウンセリング等に強いという自分の強みを活かしてこの仕事に就くことにしました。‥それはそれは楽しい仕事になりました。Sさんの悩みを聞き、そんなことを思い出しながら少しアドバイスをしました。このあともサポートすることになるかもしれません。こんな相談を受けるということ自体をとてもありがたいことだと感じます。

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学校二極化のもう1つの視点

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【授業研究】時々会う若い先生がいます。いったん大学を卒業した後に再び大学に通って教員免許を取得して、最近は講師として毎年異なる学校に勤務しています。若い人が異なる学校に勤務することのメリットがあることを知ったきっかけはこの先生から話を聞いてからでした。その意味で、この先生と話をすることで得ることが多いと思っています。今回は各学校における専任ではない先生たちの問題です。以下の問題を感じました。

・どの学校でも専任の先生と講師の先生の処遇には差がある。
・講師の先生たちの中に良い授業をしている人はかなり多い。
・そのためにまじめに努力している講師の先生たちが多い。
・そのことを専任の先生たちや管理職はほとんど知らない。
・専任の先生たちと講師の先生たちの「距離」は学校によって異なる。
・垣根をほとんど感じることなく働ける学校もある。
・垣根が大きく実力のある講師は全く認められない学校もある。

 4月から某社が開発中の組織状態を分析する手法のブラッシュアップに協力します。その時に専任からアンケートを取るのは当然ですが、講師の先生からもとることになっているのかどうか確認していないことに気が付きました。学校任せにすると講師からはアンケートを取らないのではないという気がします。

 講師の皆さんは働き甲斐のある学校に移るようです。最近はICTの設備が整っている学校に意欲と能力の高い新卒の方が応募していることを知っています。私はこれらが進むことで「学校の二極化が起きる」ことに不安を感じています。講師の皆さんに対する対応の違いも似たようにことを起こすのではないかと気になり始めました。

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慌ただしくて楽しい1日

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【授業研究】昨日(2021/3/19)はブログ連続更新3000日目でした。壁をよじ登る猫の「無料画像」もびったりハマった記念ブログをアップてきました。多くの人たちからメッセージや「いいね」をいただきました。ありがとうございました。

 その昨日は1日中慌ただしく過ごしました。その前日に仕上げる予定だったオンライン講座のための事前視聴用動画作成は遅れています。pptのスライドは完成したのですが音入れがなかなかうまくいかずやり直しを続けています。午前中はこれにもたもた。

 ゴコイチのオンライン会議は来年度のお仕事の話。大きな仕事がだいぶ明確になってきました。私がやりたかったことが形になっていく気がします。オンラインが当たり前になった時代だからできることばかりです。私が動画作成等々のスキルをレベルアップできたからやれる仕事です。わずか1年間の変化が本当に大きな変化だったことを改めて感じさせられます。1年間で10年も20年も未来にタイムワープしたような気がします。人生をもう100年も生きたような気がします。不謹慎な言い方かもしれませんが、コロナ禍は私にとってはラッキーな出来事になりました。

 この会議で勧められたアイデアの1つは「中田敦彦YouTube大学」。「若い先生たちに色々な本の要約を話しませんか?」。これはうれしい話です。時々、講師として新しく読んだ本の内容を話していますが、ちらっと話す程度。読んだ本を聴く人に面白おかしく聞かせるのは高校生のころからの私の得意のひとつ。これは本気でやりたくなっています。その延長戦にオンライン講座で話していることを細分化して動画でアップしたいものです。
 午後の別の会議ではIB(インターナショナル・バカロレア)と新学習指導要領をどうつなげて授業を展開するか、がテーマ。具体的な授業づくりに挑戦。これもワクワクします。

 夜は新構想で始めたオンライン講座の2回目。問題提示をしてくれた方との個人面談を15分ほどの事前視聴用動画に編集してみてもらい、その後の質問をオンラインでしてもらい、ある程度の問題解決まで進めて質疑応答に対応しながら解説します。放課後タイムも含めて2時間。濃密でした。私が現場で鍛えてきたスキルや体験が役立ちます。その前夜のオンライン講座でもカウンセリングをやっていなかったら答えられなかった質問をいただき回答していました。

 そのオンライン講座の放課後タイム終了は23時。いつもはこの時間にはそろそろ就寝の私ですが、さすがにアタマが冴えてすぐには眠れません。お茶を飲みクールダウンしているときに「次の問題提示の希望メールが来ました」の連絡。この講座は提示者がいないと困るのですが、ここまで3人、順調に続きます。ありがたいことです。

 というわけで3000日連続更新の記念日は慌ただしく楽しく充実した1日となりました。次の記念日は10年目。2024年1月1日です。あと2年9ヶ月。71歳のときになります。さてさて、元気でいられるかどうか。楽しみです。

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連続3000日目のブログ更新!

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【授業研究】このブログを書き始めたのは2013年1月1日。今日で3000日目の連続更新です。始めた時は60歳。公立高校教諭退職直前でした。

 それから定年退職。翌2014年4月から大学教授。6年間勤めて2020年3月に大学を退職。㈱AL&AL研究所代表して活動しています。コロナ禍のおかげで仕事の幅が広がり、新しいことへのチャレンジができました。来年度はさらに大きなチャレンジが待っています。現在68歳、8月で69歳になりますが、色々なことを楽しんでいます。

 これからもよろしくお願いします。

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