NASAゲームが好評

【授業研究】過去のリフレクションカードの内容です。この時は「対話の効果を実感してもらうため」にNASAゲームというコンセンサスゲームを紹介してやってもらいました。

「グループで知恵を出しあう方が個人でやるよりも良い結果が出るということを数値で実感できた」

などの感想が多くありました。

 このワークは高校物理の年度当初に行っていました。「1人の結論より、グループの結論の方が点数が上がる」という体験をさせたうえで、「つまり1人でウンウン考えるより、みんなでワイワイ考える方が点数が上がるということが今わかりました。物理も同じなのです。私が説明してみんなが黙っているより、みんながワイワイ話し合う方が点数が上がります。次回から、そういう授業をやりましょう」と説明していました。この効果は絶大でした。

 体験した先生たちが、このワークを授業で使ってくれるとよいなあ‥と思っています。ただ、「1人の得点よりグループの得点が上昇する結果」を得るためにはファシリテーションにコツがあります。時間短縮のためにワークシートにも工夫してあります。それらについては以下の拙著を参考にしてください。

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東京福祉専門学校に伺いました

【授業研究】年に1~2回の頻度で伺っています。リードするスタッフの皆さんが実に計画的に熱心に研究を続けていらっしゃいます。更に今回の会場は昨年と同じ教室だったのですが、大幅にリメイクしてありました。

 正面に2つ大型画面、これが電子黒板機能も持っています。更に「ロイロノート」なども使えるようになっています。私の講義の後の研修会はこれらの研修会になっていました。このようなシステムは講師として伺う大学・高校ではしばしば見ていますが、専門学校で見るのは初めてでした。

 参加している講師の皆さんは少々戸惑いがあるようでした。事前にスタッフと相談して私が説明するときのpptデータはロイロノートで配信しましょうということにしました。うまく操作できない人のために紙資料も用意しました。しかし、実際に始めて見ると皆さんはタブレットなどを使ってご覧になっています。時々、困っている人もいましたが隣の人とやりとりしながら、後半はスムーズでした。

 事後のスタッフとの打合せで新しい気づきもありました。すでに私が提案している「授業者を傷つけない振り返り会」なども取り入れてくれているのですが、「明らかな問題を抱えている授業者に対して質問だけでは肝心なことについての気づきを促すことができない」という問題が浮上してきていました。

 私が答えたのは「質問のスキルを向上させることが必要ですね」でした。そのための学習会をやろうと話しました。しかし、「授業者を傷つけない振り返り会」の限界も見えてきた気がしました。より高度な授業をつくるには、「気づき」だけではなく、必要な基礎スキルを整備して、その視点からチェックしていく作業が必要になります。これまでは、そのチェックの基になる「授業者スキルの体系」が分かりませんでした。

 最近私が取り掛かり始めた「授業者スキルの体系化」はこれに応えるものになりそうです。これはうれしい発見です。自分では授業者スキルの研究と「振り返り会」の研究は、少し別物の感がありました。しかし、ここにきてつながり始めました。これはとてもうれしいことです。夏休みの研究課題が見えてきました。楽しくなってきました。

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実験の準備と懇親会

【授業研究】某高校で「授業者スキル体系化」のための実験を始めることにしました。校長先生がとても前向きに協力してくださること、PCに詳しい先生が協力してくれること、「普通紙マークシート」を使えることなどが私にとっては大きな魅力です。

 昨日はざっくりとした打ち合わせと、終了後は懇親会。打ち合わせも含めて延々と色々な話をすることができました。現場の色々な問題を伺っていると、久々に高校現場に戻ってきたような気になります。定年退職してから7年目になりますが、来月「元・越ケ谷高校授業研究委員会」のメンバーで集まることも含めて、昔のような高揚感を味わっています。

 この実験は夏休み中に準備をして、夏休み明けから無理のない範囲で実験をしてもらいます。その間、時々、私も出かけて実験に協力してくれる先生たちと話を聞きながら研究を進めていこうと思っています。夏休みの楽しみが増えました。

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「1人の優秀な生徒がいれば大丈夫」?

【授業研究】少し前に伺った学校でいただいたリフレクションカードの中に印象的なコメントがありました。私が生徒向けの授業を行ったのを見学してもらい、そのあと「授業者を傷つけない振り返り会」を紹介し、更に有志の質問会にも最後までいてくれた方です。

「アクティブラーニングをやるには教材観のみならず生徒観も重要になってきます。これまで私はチームの中に〈1人の優秀な人(生徒)がいれば大丈夫〉と思っていました。

 しかし、小林さんの授業を見学し、その後の話を聞いて、そうではないと感じ始めました。授業者と生徒のコミュニケーションや生徒同士のコミュニケーションを促進することでどうにでもなると感じました。これが本当の意味でのチームとして活動させることだと思いました」

 これは私たちが古典的な組織論とリーダーシップ論の感覚でいると誰でも〈1人の優秀な人がいれば大丈夫〉という感覚を持つことを教えてくれます。私も長い間そう感じていました。しかし、この授業を続けていくうちに、突出した生徒がいなくてもチームの力が発揮されることを理解できるようになりました。

 〈全員が対等な立場で、お互いに巻き込み巻き込まれ、相互支援をしながら、1人ではできないことができるようになる〉‥そんな組織論・リーダーシップ論を授業の中で実践できることを知ってもらえたのはうれしいことです。

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「アクティブラーニング入門3」再校終了

【授業研究】ゲラの最終校正が終了しました。これで完全に私の仕事は終わりました。あとは発売を待つだけです。9月中旬には店頭に並ぶとのことです。

 うれしいことが2つあります。1つは久々に「越ケ谷高校授業研究会」のメンバーと会うことになったことです。今回の本は「授業者を傷つけない振り返り会」などの組織的な授業改善運動の考え方、スキル、ワークシートを紹介しています。これらは私の独創ではなく委員会のみんなと作ったものです。そこでその時のメンバーと発売を記念して飲むことにしています。店頭販売の少し前に本が出版部には届くので、それを送付して、会うことにしています。わくわくします。

 2つは偶々ご無沙汰していた先生と連絡が取れました。その先生からのメールの内容がうれしいものでした。というのは、新しく管理職として勤務している学校では若手があれこれ取り組んでいる。その中に「授業見学のワークシート」や「振り返り会のマニュアル」があるのだけど、「これは小林さんがつくったものを基にしていることがすぐにわかりました」という内容でした。そうやって広がっていることを聞けたのはうれしいことです。その人たちにも今回の本は役立つはずです。

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「生徒が三人です。グループワークはどうすればよいですか?」

【授業研究】以前に伺った島根県浜田教育センターの研修会に参加されていた先生からメールで相談を受けました。

「中学校の教師です。1年生3名の担任をしながら数学を担当しています。1年生では、3人が一緒に一問一問解いていこうというスタイルでグループワークを進めていますが、2年生では、それぞれが問題を解き、答えを見て解決し、と個人作業になっています。「解答を見ればわかるから、何と言ったらいいのかわかりません。」と、あまり会話がありません。それでも、3人とも内容は分かっているようです。こんな場合はどうしたらよいのでしょうか?」

 これはとてもメールでは回答しきれそうにないので、メールで一般的な留意事項をお伝えして、具体的な現場の様子を聞いたうえでアドバイスするために電話でやり取りすることにしました。メールでは次のように伝えました。

 
>   一般的には話し合いが活性化しない理由は以下です。
>     1 生徒にとっての安全安心が保証されていない。
>     2 問題数が多すぎて話し合う余裕がない。
>     3 問題が易しすぎるために質問する必要がない。
>     4 生徒たちの基礎的コミュニケーション・スキルが低い。
>    これらに対応する改善策を立てればよいのですが、
> 少人数の場合は以下のテクニックが役に立ちます。
>      5 授業者が「生徒役」と「先生役(ファシリテーター)」の二役をする。
 
 電話の内容をここに書くのは無理ですが、主な原因は2と3でした。5のアドバイスもとても喜んでくれました。こういう風に質問を契機に、問題や解決策を考えるのは私にとってはとても楽しいことです。
 

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「あ!生徒に聞けばよいのですね!!」

【授業研究】「リフレクションカードで行き詰まっています」とMさんからオンラインのメッセージをいただきました。偶々、近くに行く予定があったので寄り道してお会いしました。居酒屋の開店前だったので、まずは喫茶店でお会いしてその問題についてお話をうがいました。

 私の授業モデルを使って数年間授業を続けていらっしゃいます。生徒の居眠り解消、成績向上などの成果も上がっています。中高一貫なので持ち上がっているクラスは4~5年間続いているとのこと。しかし、生徒のリフレクションカードが最近マンネリ化しているのが気になる。どうすればよいだろうか?と言う質問です。

 こういう時に私が最初に聞くのは、具体的な授業のやり方や、生徒の反応についてです。理由は2つ。1つは私がある程度の状況を把握したいし、相談に来た方が何にひっかかりやこだわりを持っているかを把握するためです。そこから問題点を絞り込むこともできます。もう一つは、質問と回答を繰り返すことで、相談に来た方に今まで意識してしなかった事実や問題点を思い出してもらうことです。通常は10分間もこのやりとりを続ければ、その授業の問題点は把握できます。

 ところが‥Mさんの授業については確実な問題点は見出せません。私がMさんと同じ立場だとしても問題は把握できないし、解決策も出せそうにありません。そこで私の提案は以下でした。

「ここまでのことではよくわかりませんね。

 仕方がないから生徒に聞いてみませんか?」

「みんなのリフレクションカードがマンネリ化している気がするし、

 嫌々書いているかもしれないと感じることもあります。

 みんなはどう思っていますか?何か良い解決策はないですか?‥

 と尋ねてみたらどうですかね?」

 するとMさんは、

「ああ!そうですよね!」

「目の前に答えがあったのに気が付きませんでした」

と大喜び。

「夏休み明けに聞いてみます」

と行動計画もできたので問題は解決です。

ここまで約30分間。少し早いけど居酒屋に移動して飲むことにしました。

 この「生徒に聞いてみる」というのは私は良くやるのですが、あまり先生たちはやらない事のようです。「授業やクラスの問題は全部授業者や担任が解決するべき」考える傾向があるからかもしれません。しかし、相手(生徒たち)の気持ちは聞いてみなくてはわからないものです。逆に言えば、聞けばあっさりわかること、簡単に解決足が見えることも多いということです。生徒たちとの「対話的な学び」を始めるということもできます。皆さんにもお勧めしたいものです。

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