フィードバックの意味

【授業研究】ある研究会に参加して‥、その回は欠席したので記録動画を見て学んでいました。そこで気になることが出てきて「?」が並んでしまいました。

 そこで議論されたいたのは「フィードバックの効用」でした。「どう受け止めるか」「どう伝えるか」「どんな効果があるか」「どんな問題があるか」などについてたくさんの人たちが色々な意見を出していました。

 それを聞いているうちに、ものすごい違和感が湧いてきました。それは発言している人たちが使っている「フィードバック」という言葉の使い方がバラバラに聞こえてきたからです。私はあまりフィードバックという言葉自体を使いませんが、カウンセリングやグループトレーニングの場では、「自分が今感じていることを目の前の人に丁寧に伝える」ことと教えてもらい実践してきました。それがいわゆるフィードバックだと思っていました。この私の定義と発言している人たちの言葉の定義はどうも異なります。

 動画を見終えた後、調べました。手元にカウンセリングの専門書がなかったのでネットで調べてみたのですが、ビジネス社会で言われていることと、カウンセリングの世界での使われ方は異なっています。

 ざっくり言えば、ビジネス社会では「相手に対する評価を伝えること」のようです。これは電気回路のフィードバック回路のイメージのようです。自分の行動に他者の評価を取り入れて修正するというイメージのようです。従って、相手の行動修正を期待してその人に「評価を伝える」ということになります。これに対して嫌がる人がいたり、その評価に一喜一憂したり、反発されることを恐れて「当たり障りのないフィードバックをする」などが起きているようです。

 カウンセリングの世界では相手の発言や行動を見聞きしながら、カウンセラーが「自分の心に湧き起こってきた気持ちを伝えること」と定義します。これは「評価」とはだいぶ異なります。「あなたはいいですよ」「あなたは間違えていますよ」と評価するのではなく、「あなたの話を聞いて私はこう感じています」と伝えることなのです。

 私はカウンセリング場面だけでなく、色々な種類のグループワークに参加している時にも、カウンセリングの世界で使う意味で「フィードバック」しています。でも、たぶん多くの人たちは「評価」を伝えているようです。それではトラブルが生じてしまうのは当然のことです。これは授業者として生徒に何をどう伝えるのかにも関係することです。

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