生徒の自死

【授業研究】ある元高校教師の方から定年退職後にお書きになった文章をいただきました。教育相談の分野でご活躍され、定年退職後もその道でご活躍されている方で、尊敬している方です。

 その文章は、その先生が以前に関わっていた生徒が「自殺した」という話でした。私は、その方がそんな体験をお持ちであることを知りませんでした。ショックでした。

 私は25年間の高校教員生活の大半を教育相談係として仕事をしてきました。その中で生徒の自殺の危機に何回か直面してきました。できる限りの手立てを打って、「これで自殺することはないだろう」と思っていても、はらはらして眠れない夜を過ごしたことも何回かあります。幸いなことに、そうやって対応した生徒が亡くなったことは一度も経験することはありませんでした。

 しかし、教育相談の仲間の先生たちの中には、対応していた生徒が亡くなってしまうこともありました。私が知っているいくつかのケースでは、その先生たちは教育相談の仕事を辞めてしまいました。ある高名な先生は教師という仕事そのものをお辞めになってしまいました。そんな事実を知っていましたから、私も生徒が亡くなったら、自分も相談係は続けられないだろうなあ‥教員も辞めるだろうなあ‥と感じていました。

 ところが、冒頭の先生の文章は異なっていました。生徒の自死に直面したのちにも「2度とこういう生徒を出さないために、もっと勉強する」と決意して、その仕事を続けたということでした。感動しました。私にはできないことです。この方の強さを敬服します。

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