小学校でも同じ‥

【授業研究】知人が教頭を務める小学校に何回か伺っています。昨日は「態度目標」の研究がうまくいかないということで、問題解決のためのアクションラーニング風セッションを行いました。色々分かったことがあります。
 1つは「目的・目標」と「手段・手法」の混同です。いわゆる「資質・能力」を態度目標的に授業に入れようとすると大変です。項目は多いし、文章は長いし‥これで多くの先生たちは苦労していたようでした。私が使っている「態度目標」は「資質・能力」を高めるために授業中に子どもたちが意識しやすいように設定した「ルール」です。
 2つはいわゆる「授業規律」との矛盾に悩む先生たちが多いことです。「先生が説明している時」には、「黙って、じっとしていて欲しい」ということのようです。私は「子どもたちが必要と感じたことは聞く」と思っているのですけどね。
 3つは最も興味深いことでした。「グループ学習をさせても子どもたちはきちんと話しあわない」という声が続出。内容を具体的に尋ねてみました。
「子どもが説明していても他の子どもが聞かない」
「その子が説明するのはなぜ?」
「(先生が)○○ちゃん、説明しなさいと指示したからです」
(先生にやらされているから聞かないんだろうなあ‥)

「説明した子どもの後におしゃべりになるんです?」
「どうして?」
「誰かが話したら質問しなさいと指示しているからかも‥」
(質問しなくてはいけないから苦し紛れに話しているのかも‥)

等々。「先生の顔色を窺う」子どもたちの様子がありありと浮かんできます。ピーター・センゲが「子どもたちは10才にもなれば誰でもどうやれば先生を喜ばせることができるかを知っている」と書いていることが、しっくりと来た瞬間でした。
 この構造の理解と、対応するスキル開発がないと、「主体的な学び」「対話的な学び」はとうてい実現できない気がします。