「55歳からのハローライフ」

【授業研究】不思議なことに、この何日間か連続して、村上龍の短編小説集「55歳からのハローライフ」を思い出したり、これを話題にしたりする場面に出くわしました。それは、まさに55歳前後に人たちが、残りの人生をどうしようかとモヤモヤしている、ということが話に出てきたからです。もう1つは、私が物理授業をAL型に切り替えて悪戦苦闘し始めたのが55歳の時なので、このことが取り上げられる機会がしばしばあるからです。
 考えてみれば、みなさんがモヤモヤを感じ始める時に、私は大冒険にチャレンジし始めたので、モヤモヤどころではなかったと言えるのかもしれません。おかげで、定年まで何年か、そのあとをどうするか、を思い悩むことも少なく定年までの5〜6年間を走りぬいた気がしています。それが結局、現在の忙しすぎるけれども楽しい毎日につながっているのですから、私にとっても55歳は新しい生活(ライフ)に出会ったのだということができそうです。(村上龍の短編小説集にもう一つを書き加えてみようかな‥(笑))
 もうひとつ感じていることがあります。それは、55歳前後のみなさんの話を伺っているとも60歳以降のプランがほとんどないことです。批判ではありません。私もそうでしたから。私の場合は63歳になっても「ノープラン」でしたらから(汗)。この60歳までしか人生を描けないのは、私個人の問題かと思っていたのですが、色々な方のお話を伺っているとそうではなさそうです。それなら、これは私たちが受けてきた教育の問題なのだと敷衍できそうな気がしています。国民の平均寿命は80歳を超えています。それなのに、60歳から80歳、或はそれ以上までを視野に入れたキャリア教育?はなされていないからだと思います。国などに「教育してくれ」と頼むのではなく、自ら「キャリア学習」をするべきだと思いますが、若い時に人生のスパンをもっと長くとらえることを教えてもらえるとよかったなあ‥と感じます。
 最近の私は、85歳までは仕事をしようと考え始めました。そうとらえたとたんに体力維持と健康づくりを真剣にとらえ始めました。まだまだ、学べることがたくさんあると感じました。「遊んでいる場合じゃない」と感じるようになりました。ふしぎなものです。
 この感覚を55歳前後の人たちに伝えていこうと思います。そして、60歳以降に新しいことに一緒に挑戦しましょう、と呼びかけていこうと思い始めました。その年代の方、声を掛けてください。