少人数におけるAL型授業の難しさ(6)

【授業研究】これまでに述べてきたことに基づいて、少人数におけるAL型授業を活性化する方法について提案します。まずは、2グループになるかどうかで、教師の立ち方を変えると良いと思います。2グループができるなら、教師はそれまでと同じようにグループの外にいて、指示をしたり、ファシリテーションをしたりするのが良いと思います。
 1グループにしかならない時は、教師もその中には入ることです。一人でも人数が増えれは活性化しますし、生徒たちの中に「先生」が入ることで、多様性を高めることにもなります。そして、授業者は、授業者と生徒の一人二役をやります。つまり、説明、指示、介入をやりながらも、同時に生徒と同様に教えたり、教えてもらったり、コンテンツに質問したりをします。
 2グループ以上になっているなら、教師はこれまでのAL型授業のときと同じ立場になります。そして、多様性を高めることと、生徒の気づきを促すことを心がけます。
 第1は安全安心の場を作ることです。生徒たちが自由に自分らしさを出してよいのだと感じたら、個性を発揮してくれるからです。第2は授業者が積極的介入して多様性を高めます。例えば男子と女子の2グループに分かれていたら活性化しにくくなります。そこで、席替えをします。私が良くやるのは「フルーツバスケット」です。「一ヶ月以内に携帯を変えた人は立ってください。はい、今の自分の席だはない所に移動してください」と指示します。血液型、星座、生まれ月などを題材にして進めます。メンバーの多様性が高まるだけでなく、緊張がほぐれてしゃべりやすくなるとか立ち歩きしやすくなるなどの効果があります。
 第3は振り返りを促すことです。毎回、態度目標に沿って振り返りをさせていると、そのうち誰かが必ず「次は立ち歩きをしたい」と言い出します。毎回、振り返りをさせることが大事です。授業中に「今、クラスの状態はとぜうてせすか?」「活性化していますか?」と質問で介入する方法もあります。「元気ありません」と答えが来たら、「どうすれば元気出せそうですか?」と切り返します。もっとはっきり、信頼関係ができているなら「立ち歩いてみたらどうですか?」と促すことも良いと思います。
 と、書き並べてみると、「安全安心の場をつくる」「質問で介入する」といった基本的な技法を丁寧に使っていくことが大事ということになりそうです。(この項終わり)