今年の振り返り1

【授業研究】今年の振り返り「その1」は大学人としての生活です。4月から産業能率大学経営学部教授に就任しました。昨年3月に埼玉県公立高校を定年退職して、河合塾教育研究開発機構研究員、河合塾コスモ名古屋非常勤講師、日本教育大学院大学非常勤講師を務めていましたが、それらを継続しつつの大学教授就任でした。
 最初にこのお話をいただいた時にはうれしいものの迷いました。不安でした。「そんな仕事ができるだろうか?」という不安です。何より心配だったのは、「リーダーシップ・ベーシック」と「ロジカルシンキング実践」という2つの授業でした。
 「リーダーシップ・ベーシック」はアクションラーニングを多用しながらリーダーシップ・スキルを訓練するものです。しかし、コーチ資格を持っているのは私一人、学生は50人。この難題を解決できるのか?不安と同時に私はこのパズルを解くのに夢中になりました。結局、ワークシート方式で乗り越えました。当初予定より先のレベルにまで進むことができました。これにより、来年度前期に開講する「リーダーシップ・アドバンス」の目途も立ちました。アクションラーニングをより深く理解することもできましたし、立教大学の日向野教授が言う、アクションラーニングがリーダーシップを育成するのだということを実感しました。
 次の難関が後期の「ロジカルシンキング実践」でした。93人を相手にアクティブラーニングをやりたいと考えたものの、プログラムの開発に直前まで悩みました。結局、ぎりぎりになって、使用教室の変更、シラバスの変更、SA(スチューデント・アシスタント)の採用などをお願いして、担当諸関係に多大なご迷惑をかけてしまいました。
 始めてからも右往左往。毎週、大半の時間をこのプログラム開発に費やしました。その甲斐あって、授業の質は着々と向上。ようやく、100人規模でもできると感じてきました。大学が文科省の予算を得て進めている事業に沿って、来年早々にはこの授業を新しい教室で、様々な機器を活用して実験授業を行います。これも楽しみです。
 以上が大学教授としての振り返りです。とにかく大学の授業は何とか使命を果たせたと感じています。来年は、これを基に、更に質的に向上させたいものです。主たる課題はICTの活用と評価方法の開発です。1年後には、これらについての成果を表明したいものです。
 大学のスタッフの皆さんには本当にお世話になりました。とりわけ、入試企画部と教務部には随分と迷惑をかけ、手助けもしていただきました。ありがとうございました。