「感情の意識化」と「共感的質問」(4)

【授業研究】この項の最後に「共感的質問」のコツを述べておきます。結論を言えば、ロジャーズが指摘しているように、「傾聴」「共感」「受容」を意識した基本的な態度が重要です。ALセッションでは、「質問中心」という原則に引きずられてしまいがちで、この基本的態度が疎かになることがあります。その「陥りやすい実例」をいくつかあげておくことにします。
(1)質問だけを立て続けにする。
(2)質問に対する相手の答えをきちんと聞かない。
(3)相手が話し出すと下を向いてメモばかりをとる。
(4)メモを見ながら質問をする。
(5)自分の仮説(前提)に誘導しようと質問を繰り返す。
(6)「怒り」「馬鹿にする」などの態度を露わにして質問する。
(7)詰問調の質問をする。
(8)以前に相手が答えていることを繰り返し質問する。(忘れている)
(9)「その気持ちよくわかる」と言う。
(10)「私も同じ経験がある」と言う。
 これらのことは、ALセッションの中だけにとどまらず、教師・親・友達・チームのメンバー・指導者などの立場におけるコミュニケーションのあり方にも応用できることです。気をつけたいものです。(この項終わり)