「今までの概念をひっくり返されたような感覚です」

【授業研究】神奈川県の某高校の研修会に呼ばれて講師を務めてきました。常々私は「AL型授業入門講座」では3時間以上をお願いしています。それは、先生たちに「見たことも、受けたこともない」授業の良さを理解してもらい、翌日からでも実践できるヒントを得てもらうためです。
 そのために私は50分間の「AL型授業」を「生徒役として」、受けてもらうことにしています。「体験だけ」ではだめです。その体験の中で自分は何を感じたかを具体的に意識する必要があります。そのために、カードに書きだします。また、他のメンバーのカードも見ることで、自分以外の人たちの体験や感じ方を知ることができます。同時にそれは実際の生徒たちが感じることの列挙でもあります。
 ここまでで、丁寧にやれば2時間かかります。それ以外にイントロダクション、世界の状況の説明、理論的な分析、授業改善の必要性・効果・始め方などを説明して約1時間です。合計3時間は必要となるのです。
 しかし、今回与えられた時間は1.5時間。「授業体験」はやめようかと何度も思いましたが、それを抜きにしては実践する意欲には結びつかないと感じたので、今回はかなり無理をして、授業体験を入れました。その感想の1つが冒頭です。かなりのインパクトを感じてもらえたという点では成功でした。
 他には以下のような感想をいただきました。「楽しかった」「ALを少しずつ取り入れていきたい」「知識基盤社会に対応した教育の必要性を感じた」「教えすぎよりもむしろ教えないことが必要」「大変有意義な研修でした」「いつもの研修と違って、眠くならなかった」「教師自身がもっとアクティブラーニングを経験しないといけないといつも思います。自分が体験したことがないことを授業として実践して成立させるのはなかなか難しい」
 そして、最後の感想がこれです。「3時間以上のご講演がよかったなあと思います。短縮バージョンでお話しいただきましたが、やはり3時間以上の内容だったと思います。3時間伺えなくて残念です」今回は、この感想が一番うれしいものでした。