「回路図を書いたら問題を解きやすいということがわかった」

【授業研究】某高校での授業についての続きです。上記のような感想かいくつかありました。これは物理の教師なら何度も何度も繰り返して話をしていることです。最初の力学の時から、「図を書け、その中に、力、速度、加速度など記入しろ、それを見て方程式をたてろ」と言い続けているはずのことです。しかも、このクラスの成績はトップクラス。
 この生徒にインタビューできないので推測です。この生徒はみんなで話し合ってやっている最中に、「友達が回路図を書いて解いているのを見た」か「友達に回路図を書いた方がわかりやすいよと言われた」のだと思います。それで、今まではそうはしていなかったんだけど、ちょっと回路図を書いてみたところ、「あ、これは簡単だ」「なんだ、こうすれは良かったんだ」と「気づいた」のだと思います。
 先生に「やれ」と言われてやったことではなくて、自分でやってみたか、友達に言われてやってみたことは、かなり自発的なのだと思います。自発的にやったことは素直な感想につながります。「先生に言われたこと」よりも、「自分で気づいたこと」や「友達に気づかされたこと」の方が効果が高いのです。教師にとっては、ちょっと残念ですが、感情的にならないで冷静にこの構造を受け止めて、「生徒にとってより効果の高い方法を採用する」のがプロなのではないかと思っています。