「新教育課程で「物理基礎」を選択する生徒が増えたことは物理教育の危機だよね」

【雑感】3/28に電話をいただいたと書いた物理教師のTさんとお会いできました。もう片付けが済んだ物理室でプロジェクター等の使い方をお見せしながら、2時間ほどお話しして、ランチをご一緒にしながら、更に1時間ほど山ほど語り合いました。
  そのとき互いに共感できたことの1つが冒頭のことです。新教育課程に移行するために旧ルールでは「物理Ⅰ」「化学Ⅰ」「生物Ⅰ」「地学Ⅰ」のうちから2科目選択だったのが、新ルールでは「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の中から3科目選択になったのです。そのため以前は「化学Ⅰ」「生物Ⅰ」の選択が多かったのですが、これにもう1つ選択するとなると、物理を加えて、「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」の3つを選択する高校が急増しました。
  これを「物理選択者が増加して良いことだ」と言う人たちが多いのです。私は冒頭のように否定的です。Tさんも「同感!」と言ってくれたのです。なぜか。そもそも「物理嫌い」をたくさん生み出したのは自分自身も含めて物理担当者の教え方に問題があったと私は捉えています。その「教え方」を変えないまま、物理選択者が増えたらどうなるか。ますます多くの「物理嫌い」を社会に排出することになります。今まで以上に「物理嫌い」の国民が増えるのです。これは「物理教育の危機」だと思うのです。「だから、こうしよう、ああしよう」とTさんと語り合いました。新しい活動のアイデアがたくさん生まれました。楽しい時間でした。